徳田NICT理事長が定例会見

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、5月16日にNICTイノベーションセンター(東京都千代田区)で、第15回NICT理事長記者説明会を開いて、徳田英幸理事長がNICTの新たな取り組みについて会見した。NICTの第4期中長期計画は2016年度にスタートして20年度が最終年度になる。18年度はその中間地点にあたることから新たな中長期計画期間に向けたNICTの活動の方向性について説明したもの。  理事長会見の要旨は次の通り。新たな中長期計画期間に向けた平成30年度の活動の方向性のポイントは①研究者、有識者、NICT関係者との意見交換②多様な人・組織を巻き込む社会的な活動③将来に向けた研究課題の検討④組織改革、業務改善、機構内連携の促進―の4点。 具体的な事業活動では①ではトップクラスの研究者間の少ない人数での密なディスカッションを実施する「NICT Open Summit」、これまでのNICTの各種スキームを活用した研究者、組織との連携関係の構築及び大学や研究機関との連携の深化(マッチング、共同研究など)を行う「NICT Open Connectivity」を挙げた。 具体的には「NICT Open Summit」は、NICTにおいて、今後、重点的に取り組むべき研究トピックに関し、海外を含めた外部の著名研究者を含めて少ない人数で緊密にディスカッションを行うイベント。オープンで緊密なディスカッションによる研究課題の発展・共有などが中心となる。地方拠点において開催したい考え。 「NICT Open Connectivity」は、さまざまな研究者、組織とNICTとの連携のさらなる強化を目指し活動。『NICT Partners』の形成(起業家甲子園・万博の出場者及び企業、SecHack365の修了者、委託研究受託者など、NICTとの関係をこれまで持っていた、現在持っている人との繋がりを構築)と、大学、研究機関との連携強化(大学とのマッチングファンドによる共同研究の推進や、大学・研究機関との包括協定に基づく連携強化などを行う)がねらいだ。 ②では様々な技術課題に対するオープンコンペティションを開催することで研究連携を促進する「NICT Open Challenge」、全国の地域においてオープンなアイデアソンを開催し、地域の課題に対する社会像と解決策を議論する「NICT Open Ideathon」を挙げた。 「NICT Open Challenge」は、社会や地域等などの抱える課題に対し、アイデアやソリューションを提案するオープンなコンペティションとして開催する。コンペティションによって発掘された優秀なアイデア・ソリューションの提案者が、NICTにおける各種の研究開発リソース・スキームを活用することで、多様な研究開発や連携を促進するとともに、社会実装を実現することを目指す。 「NICT Open Ideathon」は、地域の人々や組織とNICTとの繋がりを形成することによる地域活動への貢献と新たな研究課題の発掘を目的として、地域における社会的課題解決に向けたアイデアソンを開催するもの。東北ICT連携拠点(宮城県)、北陸ICT連携拠点(石川県)で開催する予定。学生、社会人、地域活動を行っている人が参加する。ICTによる地域の課題解決(例:地域スポーツ×ICT)、ICTによる新たな価値創造などをテーマに設定する。 ③では研究所・研究センターにおいては各研究分野の課題を検討及びNICT内連携プロジェクトにおいては新規課題・横断的課題を検討する「研究所・研究センター・NICT内連携Project」、各研究分野の動向を研究所・センターなどからプレゼンを受けディスカッションする「Top Management」を挙げた。 ④ではNICT内でアイデアソンを実施し、新たな研究課題、組織的な課題などを検討・集約する「NEXT Vision Ideathon」、NICT内の業務改善の検討、実施共通的な研究基盤環境(研究クラウドなど)整備、業務システム改善などを実施する「NICT Re―Engineering」を挙げた。 徳田英幸理事長は「多様なプレイヤーが議論する場を設けて、多様なシステムが融合した形で新しいシステムを作ること、それが今の時代だ。今回の発表は、シームレスで繋がる準備を行っていることを示したものだ。ニーズ側の技術及びどういう課題があるか議論することがアイデアソン、オープンチャレンジを進める中で重要なこと」と述べた。