
触覚・視覚情報が統合される脳内メカニズム特定、NICT
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、徳田英幸理事長)ユニバーサルコミュニケーション研究所(UCRI)及び未来ICT 研究所脳情報通信融合研究センター(CiNet)は、手で物をつかんでその硬さ・柔らかさを感じ取るといった能動的な触知覚(アクティブタッチ)において、〝指を動かして感じる触覚情報〟と〝指の動きの視覚情報〟が統合される脳内メカニズムを機能的磁気共鳴撮像法(fMRI)実験により世界で初めて特定したと発表した。脳機能の知見を活用した効果的・効率的なマルチモーダル情報のXR技術・AI技術の実現に期待できるという。
視覚・聴覚・触覚等の五感情報を含むマルチモーダル情報を統合して活用する技術の実現が期待されているが、ユーザーにとって効果的かつ効率的な技術はまだ十分には確立されていない。要因の一つとして、ヒトの脳内でこれらの異なる感覚器官からの情報がどのように統合・処理されているかに関して未解明な点が多いことが挙げらる。
NICTでは今回の実験で、アクティブタッチにおいて、〝指を動かして感じる触覚情報〟と〝指の動きの視覚情報〟が統合される脳内メカニズムをfMRI実験により世界で初めて特定した。
実験では、fMRI装置の高磁場に影響されない力覚提示デバイスを独自に開発・活用することで、触覚情報と視覚情報を独立に操作して提示することが可能になり、これらの異種感覚情報の整合性判断と統合に関わる脳内ネットワークの一端を解明することに成功した。
(全文は5月2日付紙面に掲載)
この記事を書いた記者
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