総務省令和8年度所管当初予算案概要を公表 前年度比9・7%増

 総務省は令和8年度所管当初予算案の概要を公表した。一般会計総額は前年度比1兆8840億円(9・7%)増となる21兆2701億円。情報通信や電波放送関係では、「人材育成などサイバーセキュリティ対策の推進」に51・9億円、「通信・放送ネットワークの強靭化」に48・5億円―等を盛り込んだ。
 主な事業概要は次の通り。
 【活力ある地域社会の実現と健全で持続可能な地方行財政基盤の確立】
 ▽データセンター、海底ケーブル等の地方分散によるデジタルインフラ強靱化事業:AI活用を通じたDXの加速化、成長と脱炭素の同時実現、国土強靱化に向け、電力と通信の効果的な連携(ワット・ビット連携)による通信インフラの整備のため、データセンターの更なる地方分散に向けた支援(0・3億円)
 ▽ワット・ビット連携関連実証事業:ワット・ビット連携を進めるため、オール光ネットワーク(APN)により相互に接続・連携する分散データセンターの運用、複数のデータセンター間における高度なワークロードシフト技術の実証を推進(12・0億円)
 ▽5G、光ファイバ等の通信インフラ整備の推進:生成AIをはじめデジタル技術の徹底的な活用を実現するため、5G、光ファイバ等の通信インフラの整備を推進(30・0億円)
 ▽自動運転の社会実装を支える情報通信インフラの整備:政府の「モビリティ・ロードマップ2025」や「自動運転インフラ検討会」等を踏まえ、自動運転の先行的推進地域を中心に、インフラと車両の通信によって自動運転を支援する5・9GHz帯V2X通信の導入のための公道実証、技術的条件の検討・策定及び既存無線局の周波数変更等の施策を促進し、その全国展開も図る(3・8億円)
 ▽電波資源拡大のための研究開発等:無線通信の利用拡大に伴い、電波資源拡大のための技術の研究開発に加えて、ひっ迫する周波数を有効利用するための技術的条件等に関する検討や試験・分析等を実施(497・1億円)
 ▽マイナンバーカードを円滑に取得、更新できる環境整備:マイナンバーカードや電子証明書の更新需要の増加への対応など、カードの取得を希望する国民に対する円滑な取得環境・交付体制を整備(298・3億円)
 ▽AI等のデジタル技術と通信インフラを用いた地域の社会課題解決の推進:AI等のデジタル技術と通信インフラを活用した地域課題解決策の創出・実装のためのアドバイザー派遣による支援や情報発信等を実施(1・4億円)
 【信頼できる情報通信環境の整備】
 ▽インターネット上の偽・誤情報、違法・有害情報対策の推進:インターネット上の偽・誤情報等の流通・拡散に対応すべく、実態調査や被害者への相談対応を実施(0・4億円)
 ▽幅広い世代を対象としたICT活用のためのリテラシー向上等の推進:高齢者や青少年をはじめとする幅広い世代のICTリテラシーの向上や、インターネット上の偽・誤情報、没入型技術等に関する実態調査を実施(8・1億円)
 ▽没入型技術における安全・プライバシー確保に関する利用環境の整備:没入型技術の不安を解消し利用推進に資するため、物理空間と仮想空間が高度に融合した状況で生じうる危険からのユーザ保護や、仮想空間でユーザから取得した生体情報を含むマルチモーダルなデータの取扱いに関して、サービス提供者やデバイスメーカーにおけるユーザの安全確保とプライバシー確保の取組について実態調査を実施(0・6億円)
 ▽人材育成などサイバーセキュリティ対策の推進:行政機関や重要インフラ事業者等を対象とした実践的サイバー防御演習を行うとともに、政府端末やネットワーク観測を通じたサイバーセキュリティ情報の収集・分析の強化等を実施(51・9億円)
 【防災・減災、国土強靱化の推進による安全・安心なくらしの実現】
 ▽緊急消防援助隊の充実強化:広域的な消防防災体制の充実強化を図り、大規模災害に備えるため、緊急消防援助隊の車両・資機材等の整備等(57・5億円)
 ▽通信・放送ネットワークの強靱化:蓄電池、発電機等を活用した災害時における携帯電話基地局の強靱化を推進するとともに、放送ネットワークの耐災害性の強化や災害からの早期復旧の支援・視聴環境の整備等を実施(48・6億円)
 【国際競争力の強化・経済安全保障の確保】
 ▽オール光ネットワーク技術等の次世代情報通信基盤の研究開発等の加速:2030年代の導入が見込まれる次世代情報通信基盤(Beyond 5G)について、我が国の技術を確立し、社会実装や海外展開を目指すため、研究開発基金を活用し、民間企業や大学等による研究開発・国際標準化を支援(115・0億円)
 ▽次世代情報通信基盤(Beyond5G(6G))等の研究開発・国際標準化・社会実装・海外展開の加速:次世代情報通信基盤の早期実現に向けた研究開発・国際標準化等を支援(119・2億円)
 ▽量子暗号通信の研究開発等の推進:量子暗号通信の更なる長距離化・高速化技術等を確立するための研究開発等を推進(22・0億円)
 ▽基礎的・基盤的な研究開発等の推進(NICT交付金等):国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)による基礎的・基盤的な研究開発等を推進(304・6億円)
 ▽政府端末やネットワーク観測を通じたサイバーセキュリティ情報の収集・分析:サイバーセキュリティに関して豊富な知見を有するNICTの下、情報をキーとした我が国のサイバー対処能力の向上に資するエコシステムの形成に向け、研究開発と基盤構築を一体的に実施(23・2億円)
 ▽国内外におけるAIガバナンスの実現:AI事業者ガイドラインの更新・周知や広島AIプロセスの推進等による国際的なルール作りへの貢献(4・6億円)
 ▽デジタルインフラの海外展開支援:経済安全保障の確保に資するデジタルインフラの海外展開について、調査等を実施(0・3億円)
 ▽放送・配信コンテンツの製作力強化・海外展開推進:放送・配信コンテンツの製作・権利処理・流通フェーズ等の課題改善に向けた取組を実施(2・6億円)

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。