自由に喋る「鉄腕アトム」がやってくる! 完成版「ATOM」10月より発売 講談社、NTTドコモなど

 講談社、手塚プロダクション、NTTドコモ、富士ソフト、VAIOの5社は9月10日に記者会見を開催し、昨年4月より発行している「週刊鉄腕アトムを作ろう!」が70号をもって完結するとともに、10月1日より組み立て済みの完成版「コミュニケーション・ロボットATOM」を発売すると発表した。 搭載するOSやフロントエンドAIは富士ソフトが設計開発し、クラウドの部分はNTTドコモの「自然対話プラットフォーム」を採用。電気系統のメインボードなどの基板と同機の組み立てをVAIOが担当するなど、各社の技術が結集。手塚プロダクションは同機に搭載するアニメや漫画作品、鉄腕アトム作者・手塚治虫氏のエピソード提供などの監修をし、10万を超える会話シナリオ作成と50以上のエンターテインメントコンテンツ搭載といった企画全体のプロデュースに加えて、販売を講談社が担当している。 同機には、「しゃべってコンシェル」や「my daiz」にも採用されているNTTドコモの「自然対話プラットフォーム」を搭載しており、ユーザーと自然な会話をすることが可能。CPUメインボードはVAIO製のボードに加えて、ラズベリーパイ財団が開発するCPUボード「Raspberry Pi」を搭載。会見には、鉄腕アトムの大ファンでもあるという同財団の創設者の一人・エベン・アプトン氏のビデオメッセージが放映され、「ラズベリーパイを作り続けていますが、アトムは最も面白い応用です。ラズベリーパイを搭載したがジェットとして動いているアトムを見ると、とてもカッコいいですね」とコメントしている。 また、頭部に搭載するカメラにより話者の顔を覚えることもでき、話者に合わせて名前を呼んでもらうことも可能で、インターネットに接続することでメールやメッセージの読み上げも可能となるという。 フロントエンドAIでは、自己紹介やラジオ体操、さまざまなクイズや落語といった各種機能を搭載しており、クラウドAIにより時事の世間話や手塚作品のアニメ・漫画を読むことなどが可能となる。 記者会見に登壇した講談社第四事業局局次長ATOMプロジェクト・プロジェクトリーダーの奈良原敦子さんは「ATOM最大の特長は、自分から積極的に話しかけてきて、時にはシュンとしたり度を越して喋りすぎて反省したりと、人間味あふれるキャラクターで、世界中でこんなにお茶目でおしゃべりなロボットはいないと思います。家庭にいながら日々進化していき、それが実感できるロボットです。新しい体験をたくさんの人たちに届けるのが『ATOMプロジェクト』のさらなるチャレンジです」と話している。 身長は約44㌢㍍で重量は約1・4㌔㌘。頭部には撮影可能なHDカメラやタッチセンサーを装備。胸部には2・4インチディスプレイを搭載し、絵本や音楽、映像を再生する。インターフェースはWi―Fi IEEE802.11 b/g/n、Bluetooth4・1、USB2・0―A。 希望想定価格は21万2900円(税別)で、クラウドAIを提供するATOMベーシックプランは月額1000円(税別)となっている。