日本テレビ・民放連賞技術部門最優秀賞受賞「AI業務支援システム『エイディ』の社内開発と運用」

 日本テレビ放送網は、「AI業務支援システム『エイディ』の社内開発と運用」で最優秀賞を受賞した。同システムは、AI学習に必要な事前の準備作業時間の大幅な短縮を図り、番組制作におけるCG表示作業の効率化、および映像監視の一部無人化、これまで実現できなかった生放送における背面CG合成など番組制作から送出業務まで幅広く使用されている。 「エイディ」は技術統括局 デジタルコンテンツ制作部の篠田貴之氏の“思い”から誕生した。「以前より働きやすい環境をいかに作るかに取り組んできました。しかし、働き方を追求しようとすると制度だけでは対応できない部分があります。このため、技術でできることがあるはずだ、技術の力が絶対必要だと思いました。 また、何年もAIに取り組んできましたが、これまでは他社さんとの共同開発という形でした。社内のAIに関する技術力も上がってきたので、自社だけでもできるのではないかと考えました。放送局に必要な機能に特化した“尖ったAI”を開発しようしたのがきっかけです」(篠田氏)。 開発は当初、篠田氏一人でスタート、自分でプログラムを組んで開発したという。2021年に開催された国際的なスポーツ大会において英語のテロップを日本語に自動変換したことで一気に注目された。国際映像は英語のテロップで送られてくるが、読みやすくするため日本語テロップをかぶせて放送することは以前より手作業で行われていた。しかし、リザルト画面などで、10名程度が並ぶと手作業では到底間に合わなくなる。これを瞬時に日本語表示ができるようにしたもの。ここで成功したことから、各部署から開発チームに参加したいという人が出てきて、今では約40名まで増えているという。また、技術だけでなく、制作など幅広い部署の人が参加している。(全文は11月18日付第7468号に掲載)