池上通信機 讀賣テレビよりリモコンシステム受注
池上通信機は、讀賣テレビ放送より、生駒山の送信所、OBPキャッスルタワーおよび比叡山の3カ所に設置されるFPU受信基地局設備のリモコンシステムを受注したと発表した。FPU(Field Pickup Unit)は、テレビジョン放送用の無線中継伝送装置。
受信基地局設備は、中継先など放送局外からの映像素材を本社(スタジオ)に無線伝送する際、中継点となる山やビルにおいて電波(マイクロ波)を受信するための番組中継に欠かせない設備。なかでも移動体であるヘリコプター等から送られる電波を自動的にとらえる自動追尾機能が重要となる。
自動追尾機能とは、直進性の高いマイクロ波と強い指向性を持つパラボラアンテナを用いた無線伝送において、受信アンテナを電波の発信元へ自動的に向ける機能。同社では、電波の強弱を利用した自動追尾受信機を製造しており、よりレスポンスの高い自動追尾が可能となっている。読売テレビ放送では、この自動追尾受信機を受信架台に搭載予定。
更新する本受信基地局設備では、新たにARIB STD―B71規格の受信が可能となり、弱い受信波でも誤り訂正能力が高く、より長距離での伝送が可能なため、安定した映像を伝送することができるようになる。また、今回の受信基地局設備は、本社からの基地局側の制御が従来のシリアル制御からLAN制御対応となり、リモート運用の可能性を広げている。
読売テレビ放送では、これまで池上通信機の放送機器や雲台制御システムを採用しており、特に受信基地局設備を多数導入している。このたびのFPU受信基地局設備のリモコンシステム採用については、ユーザーの要望に応えるためにカスタマイズ対応したソフトウェアや、Ikegamiの総合的な提案力を評価された結果と考えているという。
(全文は10月7日付3面に掲載)
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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