朋栄、米AMV社が「FA―1616」導入~大型中継車の3Gアップグレードに採用

 朋栄(東京都渋谷区、代表清原克明社長)は、All Mobile Video社(米国ニュージャージー州)が、中継車の3G対応アップグレードに際し、朋栄製マルチチャンネルプロセッサー「FA―1616」を導入したと発表した。
 All Mobile Video(AMV)社は、同社の中継車「NYLA」の3G対応アップグレードに際し、FA―1616を2台導入。51フィートの大型中継車に搭載される同製品は、多機能でありながら1RUというコンパクトなサイズとなっており、AMVの要件を満たしていた。「FA―1616は我々のニーズをすべて満たしており、さらにそれを上回る製品でした」と、AMVのエンジニアリングディレクター Paul Butkiewicz氏は語る。「1RUで32系統の入出力、高度なカラコレ、アップ/ダウン/クロスコンバージョン、フレームシンク、DanteやMADIといった音声プロトコルへの対応など中継車に必要な機能が全て1台に詰まっており、その柔軟性と性能に非常に満足しています」。
 3Gアップグレードされた中継車は、著名な音楽イベントや授賞式などのライブイベント制作に使用される予定で、映像・音声ともに多様なフォーマットへの対応が不可欠。「クライアントが使用するあらゆるフォーマットやフレームレートに対応する必要があります。1つのショーでさえ、複数のフォーマットが混在することがあります」とButkiewicz氏は話す。「FA―1616のおかげで、マルチプラットフォーム配信やライブスイッチングも、よりシンプルに行えるようになります」とそのメリットを語った。
 FA―1616のGUIも、AMVが注目したポイントのひとつです。「非常に多機能な機器でありながら、驚くほど操作が簡単であることに全員が驚きました」とButkiewicz氏は話す。AMVのようなライブエンターテインメント分野の大手では、24P、HDR、Dante、MADIといったフォーマットの対応が必須だが、今後のIPネットワークへの対応を見据えたSMPTE ST 2110のサポートも重要視された。Butkiewicz氏は「私たちはIPベースのあらゆる技術に対応できると100%の自信を持っています。複数の競合製品と比較しましたが、FA―1616のように操作性、性能、将来性を兼ね備えたものは他にありませんでした」と述べている。
 FOR―A Corporation of America代表取締役社長 兼村 聡氏は「AMV社は、数十年にもわたり中継制作のトッププロバイダーです。今回の重要なアップグレードに当社のFA―1616を採用いただき、心から感謝しています。今後NYLAが手がけるプロジェクトを楽しみにしており、AMVとの長期的な協力関係を築いていきたいと考えています」とコメントしている。
 他の朋栄製品と同様、FA―1616はWebブラウザやEmber+によるリモート操作、SNMPによる監視に対応。また、全モデルにリダンダント電源が標準装備されている。さらに、SMPTE ST 2110およびST 2022インターフェースを備え、SDIとIPの相互接続、あるいはIP同士、SDI同士の信号変換にも対応可能です。フレームシンク機能では、4K/12G―SDI/ハイダイナミックレンジ(HDR)/広色域(WCG)をサポートし、4チャンネルを連携させて4K UHDとHD映像の同時処理にも対応している。
 電波タイムズの取材に対し、「AMV社とは2011年より取引があり。ClassX、FA―1010、FA―505、FA―1616、FA―9500、FA―9520、FRC―8000/9100、HVS―2000、HVS―390HS、IP―920、IP―920E、IP―HE950、USFシリーズ、ENVIVOなど多くの製品を導入いただいております」と答えた。