富士フイルム、4K対応の放送用ズームレンズ

 富士フイルム(東京都港区、後藤禎一社長・CEO)は、クラス最高の30倍ズームと全長190mm・約1・7kgのコンパクト設計を両立した、4K対応の放送用ズームレンズ「FUJINON LA30x7・8BRM」(LA30x7・8)を10月下旬より発売すると発表した。
 リアフォーカス方式を採用し、同社が長年培ってきた独自のレンズ設計技術を生かしてレンズ構成や制御方法を最適化することで、クラス最高ズーム倍率30倍を確保しつつ、全長約190mm・質量約1・7kgの小型軽量性を実現した。
 小型軽量ながら広角7・8mmから234mmまでの望遠撮影が可能なため、カメラを肩に担いで撮影する「肩担ぎスタイル」での負担を軽減し、1本で多彩なシーンを撮影できる。
 レンズのズーム・フォーカス・アイリスの位置情報を16bitの分解能で出力することで、高精度な位置検出が可能。被写体と仮想の背景映像を組み合わせて撮影する、バーチャルプロダクションに最適。また、複数台のカメラを同時に操作するリモート撮影などにも対応し、撮影セットの簡素化や省人化など、効率的な運用が可能。
 広角端から望遠端までのズーミングにおいて、最高速1・0秒、最低速120秒を実現。スポーツ中継では、素早く動く被写体を的確にとらえた映像を、音楽ライブ配信では、スローかつスムーズなズーミングにより表現力に富んだ映像を撮影できる。
 同社独自の光学シミュレーション技術を活用し、画面周辺の解像力低下と色のにじみなどあらゆる収差を抑えることで、ズーム全域で高品位な4K画質を実現。また、同社独自の多層コーティング処理「HT―EBC(High Transmittance Electron Beam Coating)」により、光の透過率や色再現性を高めている。
 ドライブユニットにあるボタン一つで調整可能な電動式フランジバック調整機能を搭載。スピーディーで効率的な調整を実現する。フォーカスリングをスライドさせることで前玉から5cmまで至近距離撮影を可能にするマクロ機能を搭載。料理や小物などアップが求められる被写体を4K高画質で演出可能。
 カメラ側からのオートフォーカスの制御コマンドに対応する。リアフォーカス方式を採用しているため、フォーカス調整で画角が変化するブリージングが抑えられた滑らかな動きと、静かな駆動音を実現し、自然な映像表現を可能にする。
 また、2025年9月12日~9月15日に、オランダ・アムステルダムで開催される国際放送機器展「IBC 2025」にて、今回発売する「LA30x7・8」を出展する。
 ◆EIZO、24.1型カラーマネージメントモニター発売―EIZO(石川県白山市、恵比寿 正樹社長 COO)は、カラーマネージメント液晶モニター「ColorEdge CG2400SV」(=画像=)を2025年10月28日に発売する。価格はオープンだが、EIZOダイレクト販売価格は32万2300円(税込)。
 ColorEdge CG2400SV(以下CG2400SV)は、HDR表示に対応した2025年4月発売の24・1型カラーマネージメントモニター「ColorEdge CG2400S(以下CG2400S)」の派生機種。放送・映像制作業界のニーズに応え、USB Type―C入力端子に代わってSDI信号入出力端子を搭載した。これにより、撮影現場でSDI出力端子を備えた撮影カメラと直接接続して撮影映像をプレビューする場合や、放送局で複数台のモニターを並べて放送映像をリファレンスする場合に、SDIコンバータを介さないシンプルな構成で接続できる。
 現行のSDI信号入出力端子を備えた映像制作用モニターは、30・5型フラッグシップモデル「ColorEdge PROMINENCE CG1」のみだったが、新たにCG2400SVをラインナップに追加することでユーザーの選択肢を拡げる。CG2400SVは、24・1型の省スペース設計で、放送局の調整室や中継の現場などの限られたスペースにも柔軟に設置ができる。

ほか、筐体の背面には運搬時に便利なハンドルも装備しており、撮影現場への持ち運びも容易。
表示性能や、映像制作者の使いやすさに配慮した機能は、CG2400Sを踏襲している。キャリブレーションセンサーを筐体に内蔵することで色管理を自動化。広色域表示や滑らかな階調表現を実現し、画面の表示ムラ補正機能なども搭載している。