
池上通信機、CBCテレビ大型中継車をリニューアル
池上通信機は、CBCテレビより、2R大型中継車2R中継車)に搭載する映像・音声設備およびカメラシステム一式を受注いたした。2026年2月に納入予定。
同中継車は主に「バンテリンドーム ナゴヤ」での野球中継に使用されている。今回の更新にあたっては、CBCテレビの局舎と球場との距離が近く走行距離が少ないことから、車体の更新は行わず、中継車内の映像・音声設備およびカメラシステムの一部を更新することとなった。
カメラは、4K/HDポータブルカメラシステム「UHK―X700」を8式採用された。うち6式はシステムエクスパンダーによるビルトアップ運用になる。現2R中継車で運用しているHDカメラシステム「HDK―790EXⅢ/79EXⅢ」を継続して使用することで、最大15台のカメラを使った運用が可能となる。「UHK―X700」は、オプションのHFRハイフレームレート)機能を搭載し、ピッチャーの投球時におけるボールの握りや回転、バッターが打球を捉える瞬間など、野球中継に欠かせないスローモーション映像を実現する。
システムの要となる映像スイッチャーは 「MuPS―5000 Series」を採用された。中型タイプながら、2K 4M/E8Mix)に対応しており、複数の操作パネルによる運用が可能なため、多彩な中継を実現する。
これらの機器は、CBCテレビの第7スタジオ/サブで運用されているカメラ・スイッチャーと同型となり、その高い操作性と信頼性が評価されている。さらに、これまでに培ってきた豊富な中継車製作の実績により、新規製作はもちろん、今回のような機器載せ替えにおいても、顧客のニーズに寄り添った提案ができたことが、受注につながった要因の一つであると考えている。
そのほか、各種AV機器は中継車内の省スペース化や運用性の向上に大きく寄与している。映像ルーター「UHSM―120120」は、マルチビューワー機能を内蔵しており、すべての入力素材をタリー表示および素材名表示付きで選択することが可能。また、周辺機器の「OnePackⅡ」シリーズは、1つのモジュールに最大4つの機能を実装できるため、モジュール数や棚板数の大幅な削減を実現する。
音声システムでは、オーディオルーターにミキシングプロセッサーを搭載したオーディオプロセッサー「DAF―040」を採用された。2Uサイズの棚板でマトリクスは最大1536×1536モノ)に対応が可能なため、省スペース化を実現。
【主なシステム構成】
▽スイッチャー:MuPS―5000中型タイプ)×1式
▽スイッチャー操作パネル :3M/E 24ボタン、2M/E 14ボタン、1M/E 10ボタン 各1式
▽映像ルーター :UHSM―120120 ×1式
▽マルチビューワー :ルーター/スイッチャーに内蔵
▽周辺機器 :OnePackII Series
▽4K/HDポータブルカメラシステム:UHK―X700 × 8式
内HFR8倍速1式、4倍速1式)
▽システムエクスパンダー:SE―U430 × 6式
▽ベースステーション:BSX―100 × 8式
▽オペレーションコントロールパネル:OCP―300 × 8式
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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