映画「雨花蓮歌」Blackmagic Designワークフローで制作
ブラックマジックデザインは、朴正一監督の初長編映画作品「雨花蓮歌」の制作にBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K ProおよびDaVinci Resolve Studioが使用されたと発表した。編集にはDaVinci Resolve Speed Editorも活用された。
「雨花蓮歌」は、在日コリアンである朴正一監督による初の長編作品。物語は、在日コリアンの大学生・春美と日本人の恋人と結婚を考えている姉・麗子を中心に展開する。彼女たちは在日コリアン2世の母親や周囲の人々と小さな衝突を繰り返すようになる。
朴監督は、「自分のアイデンティティをテーマに撮りましたが、特定の国籍や人種、立場の人々に向けて描いたわけではありません。誰もが抱える心の葛藤や揺らぎ、他者との意思疎通の中で生まれる壁などを、登場人物たちを通して表現したつもりです。
脚本は完成していたのですが、長編映画を撮れるほどの予算はありませんでしたが、脚本を読んだカメラマンの高橋が、『絶対にやりましょう』と言ってくれて、この作品のためにPocket Cinema Camera 6K Proを自分で購入してくれたんです」と語る。
限られた予算とスケジュールでの撮影だったため、Pocket Cinema Camera 6K Proのコンパクトさや多機能性が大いに役立ったという。
「機材がコンパクトだと移動時に大きな車両も必要ありませんし、狭い場所でも撮影しやすいです。撮影時間の制約もある中で、現場では細かくフレーミングを調整できないような時もありました。最終的に4Kで仕上げましたが、撮影はすべて6Kで行い、ポストプロダクションで画を追い込みしました。NDフィルターが内蔵されていた点も、効率的な撮影に大きく貢献しました」(朴監督)。
ポストプロダクションではDaVinci Resolve Studioが使用され、編集時にはDaVinci Resolve Speed Editorが活用された。
「グレーディングも高橋が担当しました。撮影素材をすべてグレーディングして、そのプロジェクトデータを共有してもらい、私が編集しました。同じソフトウェアを使っているのでグレーディングから編集へのフローもスムーズでした。Speed Editorを使うことで編集もしやすかったです」(同氏)。
最後に朴監督は、「さまざまな映画祭で上映されて、おそらく自分の映画が一番低予算だったのでは、と思います。でも、もっと予算の大きな映画と比べても、引けを取らないクオリティの作品を制作できたのが、監督として嬉しかったです。このカメラを選んでくれたカメラマンの高橋にも感謝しています」とコメントしている。
電波タイムズの取材に対して、「(文中の機材について)DaVinciはカメラマンの方も、ディレクターさんもそれぞれ既に導入されておりました。
Speed Editorはディレクターさんの私物で、この映画の制作用ではなく弊社のキャンペーンで購入されたそうです」(ブラックマジックデザイン)と答えている。

この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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