キヤノン、屋内型映像制作用リモートカメラ
キヤノンは、IPによるリモートプロダクションを実現する映像制作用リモートカメラシステムの新製品として、〝CR―N400/CR―N350〟を2026年1月下旬に発売する。価格はオープンで、市場想定価格(税抜)はCR―N400が約80万円、CR―N350が約54万円。
近年、映像制作市場では、映像コンテンツの需要増加にともない、低コスト化・省人化を可能にするリモートプロダクションへのニーズが高まっている。キヤノンは、こうした市場に向けて、高品位な映像を撮影できる屋内型の映像制作用リモートカメラの新製品2機種を発売するもの。CR―N400は、12G―SDI端子やタイムコード端子などを備え、放送局のスタジオ撮影やスポーツ配信などプロフェッショナルの映像制作を支援する。CR―N350は、4K60P出力に対応しながらオンライン配信に求められる機能に重点を置いた端子構成で、予算を抑えつつ高画質映像を撮影・配信したいというニーズに応える。
CR―N400/CR―N350は、1/2・3型CMOSセンサーと映像処理プラットフォーム「DIGIC DV7」を搭載し、4K60P出力/4:2:2/10bitの高品位な映像撮影が可能。また、HDR撮影にも対応することで、明暗差の大きなシーンでも、豊かな色彩と滑らかなグラデーションを表現することが可能。
CR―N400/CR―N350は、光学20倍ズームレンズを搭載している。また、フルHD撮影時は、一般的なデジタルズームとは異なり、高画質を維持したままで最大約40倍(焦点距離約29・3~1202mm相当のズームが可能な「アドバンストズーム」を搭載し、ワイドの俯瞰映像から迫力のあるズーム映像まで、一台で幅広いシーンの撮影が可能。
CR―N400は、4K60P映像を出力できる12G―SDI出力端子のほか、タイムコード端子、Genlock端子、XLR音声端子などを搭載し、上位機種の「CR―N700」(2022年12月発売)や放送用カメラと同じ制作環境で併用することが可能。
また、CR―N400/CR―N350は、自動追尾アプリケーションが搭載されており、人物の動きに合わせてカメラが自動で被写体を追尾できる。有償ライセンスの購入により、より自然な撮影を助ける構図アシスト機能が利用可能になり、スムーズな映像制作をサポートする。さらに、「CR―N700」と同様、PCアプリ「カメラカラーマッチングアプリケーション」に対応し、色味の基準となるメインカメラとの色合わせを簡易化することが可能。


この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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