朋栄、野球を4台のカメラで自動スイッチング
朋栄は、直感的オンデバイスAIソリューション「viztrick AiDi」を展示した。同ソリューションは日本テレビ放送網が開発を行い、朋栄が販売を担当している。
AIを用いた映像や音声のコンテンツ解析をリアルタイムに行えるシステムで、タブレットにペンでタッチすることにより、様々な表示・操作ができ、例えばサッカーの場合、プレイヤー間の距離、プレイヤーの距離などを表示することができる。編集時にこれらを付加することは当然できるが、リアルタイムでできるので、生中継の場合、リプレイ時に付加して放送することができる。
最大の特徴はノートPC1台で運用でき、インターネットも不要な点にある。現場によっては、インターネットの接続が難しい場所もある。インターネットが前提となる場合、①インターネットで映像等をアップする(オンプレやクラウド)②オンプレやクラウドでの処理③処理した映像をインターネットで現場に送る、という工程が必要となり遅延が生じるが、同システムでは問題ない。
この他、面白い使い方として自動スコアーグラフィックがある。スコアボードの映像をviztrick AiDiに入れることにより、自動的にCG(スコアやボール・ストライク・アウト)を作成する。現状、ボール・ストライク・アウト(BSO)を表示するだけで、一人が張り付いて行っており、かなりの負担となっている。ただし、球場によって構造が異なるため、最初に設定する必要がある。
また、今年のMLB(メジャーリーグベースボール)の日本での試合でも使用された。MLBの場合、ピッチクロック(投手が打者に投球するまでに使える時間を制限する仕組み)が導入されているが、日本では対応していない。MLBから時間情報をインターネット経由がもらうことはできたが、回線の状態により、どうしても不均一な表示になったため、同システムでの画像認識で表示することにした。
改良点としては、スポットライト表示がある。海外の展示会で出展した際、スポットライトを求める声があったためが追加したという。
あとは自動スイッチングがある。例えば野球の場合、固定カメラを4つほど置いて、それでAI がスイッチする。スイッチングは、選手の動きやボールの動きなどを総合的に判断しているという。

この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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