ロブ・ライナー監督の新作にBlackmagic Designワークフロー使用

 ブラックマジックデザインは、「Spinal Tap II: The End Continues(原題)」のコンサートのエンディングシーンで、カメラ、スイッチャー、ルーター、コンバーター、Blackmagic Cameraアプリを含むBlackmagic Designワークフローが使用されたと発表した。
 2025年で最も期待されている映画のひとつである「Spinal Tap II: The End Continues」は、ロブ・ライナー監督によるモキュメンタリ。15年ぶりに再結成した架空のヘビーメタルバンドが最後の公演を行う様子を描いている。Spinal Tapのショーの素晴らしさと大げさな演出をキャプチャーするために、コンサートは観客の前でライブ撮影され、オーディオビジュアルおよびIMAGワークフローは放送トラックから完全にコントロールされた。
 IMAG用にバンドのライブパフォーマンスを撮影してステージの巨大なLEDモニターに映し出すために、3台のBlackmagic URSA Broadcast G2および2台のBlackmagic Micro Studio Camera 4K G2デジタル放送用カメラが使用された。また、Blackmagic Designのカメラからのライブフィードのスイッチングには、ATEM 2 M/E Advanced Panelと組み合わせたATEM Constellation 8Kライブプロダクションスイッチャーが使用され、HyperDeck Studio HD Pro放送デッキで個別収録された。さらに、Blackmagic Cameraアプリを起動しているiPhoneも、自由に移動できるカメラとして使用された。
 映像およびライブプロダクション会社、Diamond Productionsの創設者であるドニー・パスカル氏は、同作のDITであるロバート・バール氏と直接協力しながら、同作のライブマルチカム・セットアップの設計および管理を行った。
 制作する必要があった様々なワークフローについて、バール氏はこう説明する。「この作品は、大規模なライブコンサートとハイエンドのハリウッド映画制作の融合でした。ドニーのセットアップには、IMAGに送信する5台のBlackmagicのカメラが含まれており、これらは俳優と観客を撮影する他の5台のカメラと連動して使用されました。これらの映像とiPhoneからの映像は、ステージ近くのライナー監督のセクション、そしてプロデューサーのセクションで確認できるようにする必要がありました。これらはすべて、長いケーブル配線を必要とする実際のコンサート会場で行われました
 ドニーと私は緊密に協力し合いました。私たちにはBlackmagic製品が必要だと分かっていました。カメラとスイッチャーの他にも、ペリカンケースにBlackmagic Micro Converterを組み込んで分配増幅器として使用し、ステージ上で長いSDI配線を実現するために信号を拡張しました」。
 IMAGワークフローに加えて、バール氏はコンサートの撮影およびいくつかのカスタムメイドのケースの中核として、DITカートで多数の Blackmagic Design製品を使用した。バール氏のDITカートと配信ボックスには、20台を超える様々な Blackmagic Micro Converter、Smart Videohub 20×20ルーター、DeckLinkキャプチャー・再生デバイス、そして品質管理用のDaVinci Resolveが含まれている。さらにiPhone映像を扱うためのカスタムリグには、Blackmagic Cameraアプリと複数の双方向Micro Converterが含まれている。
 「メインの撮影中、例えば登場人物がYouTube動画を見ているシーンなど、実際に使用される映像を撮影するために1台のiPhoneを使用しました。
 これらのセットアップでは、ライナー監督がメインカメラと同じようにiPhoneと通信できるようにしたいと考えました。そこで私は、既存のワイヤレスのトランスミッターと一緒に使用でき、バックパックに詰め込めるサイズのリグを作成しました。タイムコード同期とBluetooth、そしてHDMIの出力機能に対応したBlackmagic Cameraアプリを使用したことで、サウンドミキサーが通常のワークフローを続行できるだけでなく、カメラでサウンドを収録してエディターにオプションを提供することも可能になりました。このセットアップにより、ライナー監督は、他のビデオフィードと同じようにiPhoneからの映像を視聴することができました」バール氏は最後こう結んだ。

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。