TCN、災害時の避難所をバーチャル化

 東京ケーブルネットワーク(TCN、東京都文京区、大坪龍太代表取締役社長)は、町会・自治会と連携した地域課題解決DXサービスを立ち上げ、文京区の根津地域にて避難所のバーチャル化を実施した。
 地域へのヒアリングを続ける中で、一つの課題として「避難所設営の訓練が頻繁には実施できないので訓練の度に忘れてしまっているところがある」「実際に開設した際に経験者が誰もおらず紙のマニュアルだけでは 限度がある」「避難所がどのように開設されるかわからず、避難者としては行くことに戸惑いがある」といった意見があった。
 そこで今回、文京区および根津弥生七ヶ町連合協力のもと、根津小学校のうち避難所となる体育館を中心とした一部分を2024年6月の避難所設営訓練にあわせ3Dスキャンし、TCNがかねてより展開する立体マップ作成サービス『360度ビューイング』を用い、避難所設営訓練状態のVR立体マップを作成した。また、同時に訓練の様子を動画でも撮影し、立体マップ内に『タグ』として入れ込むことで、立体マップを見ながら手順を動画で確認できるようにした。
 「360度ビューイング」とは、建物などの実空間を3Dスキャンできる特殊なカメラで撮影することで、スマホやWEBサイト、VR等で建物内をウォークスルー閲覧できるコンテンツで、東京ドームの座席表などもTCNでは作成実績がある。避難所設営時の状態を360度ビューイングで3D化しておくことで、タブレット等の画面を操作するだけで実際の現場の画像を辿りながら避難所開設までのイメージを3Dで確認することができる。今回は防災士が紙で作成しているマニュアルの番号と立体マップのタグを連動させ、バーチャルマニュアルとしてDXも行っている。

写真は 実際の避難所運営訓練の様子映像を3Dマップ上に設置

全文は1月27日付け4面に掲載

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。