2024年11月25日(7746号)
兵庫県知事選が投開票され、前知事の斎藤元彦氏が再選を果たした。職員へのパワハラ疑惑を巡り、県議会による不信任決議案の全会一致での可決から失職。ふたを開けてみれば次点に10万票以上差をつけ、111万3811票(得票率45・21%)を獲得しての再選だった▼投開票前から、テレビや新聞を代表とする「オールドメディア」と、動画配信やSNS等の「ソーシャルメディア」という新旧2大メディアの対立構図に当てはめる意見も多く散見されていた。この結果を受けて、「SNSの勝利」「大手メディアの敗北」といった言葉がトレンドワードとして上がるようになった▼報道によると、斎藤氏を支援する層は10~50代が最も多く、「SNSや動画投稿サイト」を投票の参考にしていたと答えたケースが多かったという。テレビ等がパワハラ疑惑を強調する一方、SNS等で疑惑の捏造や陰謀論を伝える発信が目立っていた▼「エコーチェンバー」という言葉がある。SNSでのつながりを通じていつの間にか同様の情報ばかり目にするようになる現象だが、これと同様の状態が起きていた可能性もある▼言うまでもなく選挙に勝敗はあっても善悪はない。メディアが伝えるのは事実のみであるべきで、勝敗を論じる事自体がナンセンスだ。とはいえ、SNSの活用が今後の選挙活動の鍵を握ることになるのは間違いないだろう。(K)
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