2025年6月9日(7819号)

総務省は5月23日、「DX・イノベーション加速化プラン2030」を公表した。少子高齢化や人口減少社会を背景に、イノベーション創出や経済成長のカギにAI活用をはじめとする社会DXを不可欠とし、特に地方でのDX推進と「地方創生2・0」を実現するゲームチェンジャーとして「光電融合技術」を活用した「オール光ネットワーク」を中核とする新たなデジタルインフラの実現を強調。実現に向けた戦略として、「デジタルインフラ整備計画2030」と「デジタル海外展開総合戦略2030」の整備を進める▼オール光ネットワークを巡っては、NTT・KDDI・富士通・NEC・楽天モバイルの5社が次世代インフラの共通基盤技術の確立を目指す総務省のプログラムに共同で提案し、採択された。事業者間連携に必要な基盤技術の早期確立に向けて、情報通信研究機構(NICT)からの出資等を経て開発を進めている▼代表研究者のNTTは、低消費電力、大容量高品質、低遅延を光電融合技術によって実現する「IOWN APN」の開発を進めており、開催中の大阪・関西万博ではその一端として、歌舞伎とICTが融合した新時代の歌舞伎「超歌舞伎」と、台湾の伝統芸能「官将首」とを国境を越えてリアルタイムに融合した世界初の演出が披露された。今やなくてはならない次世代通信基盤として今後も注目したい。(K)

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。