2025年8月27日(7850号)

北海道小樽市及び奈良県宇陀市の歴史まちづくり計画が、このほど国土交通大臣、文部科学大臣、農林水産大臣により認定され、平成20年に歴史まちづくり法施行以降、今回の認定で認定都市100都市となった。小樽市の認定は北海道で始めての認定である▼全国各地には、歴史的な情緒や風情を醸し出すまちが多くあり、北海道の小樽市もその一つ。明治から昭和初期に建てられた建造物とともに、ニシン漁にまつわる風習の「忍路鰊漁撈(おしょろにしんぎょろう)の行事」、ニシンを求め新潟県からの移住人が伝えた「高島越後盆踊りの行事」や運河保存運動を契機とするまちづくり、初夏から初秋にかけての一連のお祭りでの神輿渡御や神楽、景勝地での花見やスキー、招魂祭(しょうこんさい)などの行楽・慰霊行事で、地域固有の魅力的な歴史的風致が形成されている▼また、奈良県の宇陀市は、城下町から商家町に発展した国選定「参会」「寒施行」「初市」等の伝統行事、中世社殿の国宝「宇太水分(うだみくまり)神社本殿」を中心に開催される「古市場の盆踊り」「例大祭」等の伝統行事、山岳修行の場で始まり女人高野として賑わった国宝「室生寺本堂」や周辺の集落での「龍穴神社秋祭り」「青葉まつり」の伝統行事、「神武さん」や旧伊勢本街道の「道つくり」等、地域固有の歴史的風致を形成▼歴史的構造物、歴史的市街地の整備とともに、歴史的風致の周知・交流促進で、地域の賑わいが高まるものと期待されよう。(N)