2025年9月1日(7852号)
JICA(国際協力機構)の「JICAアフリカ・ホームタウン」事業を巡り、日本国内の自治体がアフリカの特定の国からの移住を促進するかのような誤情報が拡散され、各自治体に抗議の声が殺到する事態に発展する騒動になった▼JICAが発表した声明によると、同事業は、人材交流や連携イベント支援などを通じてこれまでに各自治体が築いてきたアフリカ諸国との関係をさらに強化することで、アフリカの課題解決と日本の地方活性化に貢献することを目的とした事業。JICAは8月21日、愛媛県今治市とモザンビーク、千葉県木更津市とナイジェリア、新潟県三条市とガーナ、山形県長井市とタンザニアの交流促進に向けて、各市をホームタウン認定した。しかし、タンザニアの地元メディアやナイジェリア政府発表を元に「山形県長井市がタンザニアの一部になる」や「木更津市での就労に向けて政府が特別ビザを発給する」といった誤情報が拡散し、治安悪化等を懸念する苦情が各自治体に寄せられる騒ぎとなった▼主催者側と各国による情報のすり合わせや翻訳時の食い違い等様々な要因が考えられるが、十年前だったら果たしてこれほどの騒ぎになっていたか。先の参院選では「日本人ファースト」が話題に。トランプ米政権でも排外主義的思想が広まっている。先人が進めてきた国際交流が途絶えるならこれほど悲しいことはない。(K)
この記事を書いた記者
- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
最新の投稿
筆心2025.09.012025年9月1日(7852号)
行政2025.08.29「JAXA大技術博」開催
行政2025.08.29「JAXAシンポジウム2025」開催
行政2025.08.29リュウグウに残された衝撃痕跡を再現 広島大・極地研等