2025年9月5日(7854号)

 京浜急行電鉄は、11月30日までの期間、同社駅施設において、パソナグループ(東京都千代田区)が提供する「パソナアバターワークサービス」を活用した駅利用者への案内サービスの実証実験を横浜駅(横浜市)および大鳥居駅(東京都大田区)の2駅で実施している。京急電鉄では、近年増加している訪日観光客への多言語対応や、生産年齢人口の減少に伴う駅施設での人手不足による係員の業務負担増加などの課題に対応するため、アバターによる遠隔接客サービス「パソナアバターワークサービス」を活用した駅利用者への案内の有効性を検証するための実証実験を実施している

▼「パソナアバターワークサービス」とは、遠隔地にいるオペレーターがアバター(画面上に表示されるキャラクター)を通じ、駅職員に代わって顧客に乗換案内や施設案内などの案内を行うサービス。同サービスを活用することにより、駅利用者に混雑時にもスムーズな案内ができること、また、訪日外国人には多言語対応によってより分かりやすく、安心して駅を利用できる環境を整備し、併せて駅職員の業務負担軽減を図ることを目指す

▼京急電鉄では、今後も訪日観光客をはじめとするさまざまな利用客に対して、安心して鉄道を利用してもらえるよう取り組むとともに、駅職員の業務負担の軽減を図り、人手不足の課題解消に努める

▼実証実験では、アバターによる案内の対応件数や利用された時間帯、よくある質問の傾向など、さまざまなデータを収集して今後に活かす。アバターは若い女性をイメージしており、普段駅員に声をかけにくい人も気軽に質問できるイメージだ。(T)

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。