2025年10月21日(7869号)

自民党の高市早苗総裁への取材待機中に「支持率を下げてやる」などと発言したとして、時事通信社が10月9日、同社に所属する男性カメラマンに対して厳重注意したと発表した

▼同問題を巡っては10月7日、東京・永田町の自民党内での高市新総裁に対するぶら下がり取材を待つ男性カメラマンが、同じく待機中の別のマスコミ関係者と雑談中に発したとみられる「支持率を下げてやる」「支持率を下げるような写真しか使わないぞ」等の発言が、日本テレビのライブ中継で発信された。この発言が、SNS等を通じて全国に広がり、大きな批判を集める騒動となったとみられる

▼新聞やテレビ等既存マスメディアが「オールドメディア」「マスゴミ」等と揶揄されるようになって久しい。権力を持つ公的機関を監視する役目や世論への影響力等から、時にマスコミは立法、司法、行政と並ぶ「第4の権力」と呼ばれることもある。もちろん全員がそうではないが、中には残念ながらこうした取材活動で政治家や大手企業の経営者と接する機会が増えると共に、自身も権力者の1人と勘違いする人間も出てくる。これを書く記者自身も過去の取材活動で同様の発言や態度をふりかざす同業者を目にすることは少なくなかった

▼今回の事案は正にマスコミの負の部分を象徴する出来事であり、厳重注意の処分が適正かどうかは疑問が残る

▼SNSの台頭により、誰もが平等に発信力を持てる時代となった。既に特権が通用する時代ではないことを意識する必要がある。自戒も込めて。(K)

この記事を書いた記者

アバター
kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。