7903号(2026年3月3日)

ガラス板に書き込むことでデータを一万年以上保存できる技術をマイクロソフト社の研究機関「Microsoft Research」が発表した。「Project Silica」と呼ぶこの試みが、長年のデータ保存の課題解決につながるどうかに注目が集まっている

▼同機関が「Nature」に発表した論文によると、この技術はフェムト秒レーザーという超高精密レーザーを照射し、わずか厚さ2㍉ほどのガラスの内部に肉眼では見えないほどの極小のデータを数百層にわたって記録する。従来は高価で入手難度の高い溶融シリカガラスでしか再現できなかったが、研究によって擬似シングルパルス書き込みを使用して、媒体全体にわたるビーム走査による高速書き込みを実現する方法を実証し、位相ポクセルにおける三次元符号間干渉や並列書き込み機能といった技術を組み合わせることで、一般家庭のキッチンの調理器具等にも使用されているような安価なホウケイ酸ガラスにも情報を保存することが可能になったという

▼デジタルデータの保存については、これまで磁気テープや光ディスク、HDD(ハードディスクドライブ)といった手段が用いられてきたが、HDDは約5年、磁気テープや光ディスクも数10年と、いずれも寿命があり長期保存に課題があった。同技術は温度管理やメンテナンス不要で一万年以上のデータ保存が可能で、実証では4テラ以上のデータ保存にも成功したという。まさに夢の技術と言える。(K)

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。