
NHK連続テレビ小説「あんぱん」若松のぶ役の今田美桜さんがコメント
「私自身のぶと一緒に悩んだり、涙したり……のぶと一緒に生きている感覚があります」
現在、第14週「幸福よ、どこにいる」が放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。朝田家三姉妹の長女・のぶは、行動力とスピード感にあふれ、人生の荒波をパワフルに乗り越えて生きてきた。女子師範学校を卒業後、小学校の教師になったのぶは、父・結太郎(加瀬亮)の縁で一等機関士の若松次郎(中島歩)とお見合いし、結婚することに。戦後、病で次郎を亡くすも、次郎が書いていた「速記」に魅せられ、夢中で学ぶ。そして、そのことがきっかけで高知新報の入社試験に合格し、新聞記者となり、記者としての新しい人生が始まる。
そんな若松のぶ役を演じている今田美桜さんのオフィシャルコメントが届いた。
――次郎に対するのぶの思いを、今田さんはどのように想像して演じられましたか?
次郎さんからプロポーズを受けたタイミングというのは、のぶが“愛国の鑑”だと言われることに悩んでいるときで。自分の思う正義を信じている中で、豪ちゃん(細田佳央太)が亡くなってしまい、蘭子(河合優実)とも衝突してしまって……。本当はずっと「自分の進んでいる道はこれでいいのだろうか?」という葛藤があったものの、家族にすら悩みを打ち明けられず、一人で抱え込んでいました。そんなときに出会った次郎さんが、自分の弱い部分もすべて認めてくれて、やさしく、あたたかく包み込んでくれた。だからこそ、のぶはこの人に自分の人生を委ねてみたいと思ったんだと思います。
次郎さんとのシーンは少なかったのですが、演じる中島さんのおかげもあって、とても思い出深いシーンばかりです。のぶが次郎さんの撮った写真を現像するシーンでは、次郎さんから今までもらった、たくさんの愛情を思い出しました。その愛情がうれしくて苦しくて、忘れられないシーンです。次郎さんがのぶに残してくれた「自分の目で見極め 自分の足で立ち 全力で走れ 絶望に追いつかれない速さで」というメッセージは、今後のぶがそれを胸に駆けていく、ずっと大事にしていきたい言葉ですね。もともと走るのが大好きで、いつもまっすぐに突っ走っていたのぶらしさというものを、あの言葉で思い出した感覚がありました。
――第13週で、4年ぶりに嵩と再会するシーンはいかがでしたか?
のぶとしては、次郎さんも亡くなって、大好きな子どもたちも傷つけて、本当にどん底のときでした。のぶは責任感も強いですし、こんな自分が生きていていいのだろうかと。それまでは次郎さんがいて救われていたけれど、それもなくなってしまった。そんなときに嵩と再会し、今まではのぶが嵩を元気づけることが多かったのですが、このシーンでは逆に嵩がどん底からのぶを引っ張り上げてくれて。このときの嵩の言葉がすごく心に残っていますし、のぶが本当に救われた瞬間でした。
このシーンで、北村さんは「戦地でいろんな経験をしたからこそ、少し達観している嵩でいたい」とおっしゃっていました。戦地でのシーンは、のぶが暮らす高知とは遠く離れた別の場所で起こっていることなので、私自身はあえて台本は読まないようにしていましたが、北村さんをはじめ、出演者の皆さんは実際に食事を抜いて撮影に挑んでいました。私も放送を見て、「ここまで描くんだ」と思いましたし、言葉にできないくらい壮絶だなと。でも、やなせさんの人生を描く上で大切な部分ですし、この『あんぱん』チーム全員が戦争というものに本気で向き合っている覚悟を感じました。この作品を通して、改めて戦争について考える機会が少しでも増えたらいいなと思います。
――生きる希望を見失いながらも、再び前を向いて進み始めたのぶ。今後の物語の見どころを教えてください
本当に私自身ものぶと一緒に悩んだり、涙したり……もはや役としてなのか自分としてなのか分からなくなるくらい、のぶと一緒に生きている感覚があります。第14 週で、のぶが高知新報に入ってからは、明るいシーンも多くなりましたし、今後のぶの運命を変える人との出会いも待っています。のぶも嵩も戦争を乗り越え、二人が「逆転しない正義とは何なのか?」、その答えを探しながら奮闘する姿を、ぜひ応援してもらえるとうれしいです。また、のぶと嵩の関係もどうなっていくのか。ぐずぐずしている嵩を見て「もう、嵩~!」となっている方も多いと思いますが(笑)、今後の展開もどうぞお楽しみに!
■2025年度前期連続テレビ小説『あんぱん』全26週(130回
[総合](月~土)午前8時~8時15分ほか(土曜日は1週間の振り返り)
[BS][BSプレミアム4K](月~金)午前7時30分~7時45分
【作】中園ミ
【音楽】井筒昭雄
【主題歌】RADWIMPS「賜物」
【語り】林田理沙アナウンサー
【制作統括】倉崎憲
【プロデューサー】中村周祐、舩田遼介、川口俊介
【演出】柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当