CIAJ 定時社員総会懇親会を開催~森川会長「持続可能なエコシステムを構築」

 一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は、5月30日、「定時社員総会懇親会」を東京プリンスホテルで掲載した。
 冒頭、登壇したCIAJ・森川博之会長は、「今年はこれだけ多くの皆様方にお集まりいただきまして本当にありがとうございます。
 先ほど開催しました理事会において今年度も引き続き会長を務めさせていただくことになりました。また、副会長としては、アンリツの濱田宏一社長と富士通の高木康志氏(SVPネットワーク&データセンターBGエグゼクティブディレクター)にお願いすることになりました。
 最近の流れでCIAJの活動から二つほどお話させてください。1つ目は相互関税が我々の情報通信産業にどのような影響を与えるのかです。会員企業の皆様にヒアリングした上で、対応策に関する要望を緊急政策要望書としてまとめました。4月下旬に総務省の方にも提出させていただきました。それを受けてですね、本日いらしていただいてる阿達総務副大臣、そして加藤経済産業大臣政務官にいらしていただいて、会員の皆様方と意見交換をしていただきました本当にありがとうございました。
 もう一つはワットビット連携です。このワットビット連携を支えるのが、オール光ネットワークということで、社会実装をいかに進めていくか。CIAJの中でも議論をし始めております。やはり価値の獲得と価値の創造というのは違うわけです。そういう新しい技術は価値の創造、それがきちんと社会に入るのが価値獲得です。その価値の創造から価値の獲得に繋げるところをCIAJで頑張っていきたいというふうに思っております。
 最後になりますが、情報通信インフラはライフラインです、インフラなくしては我々の生活安心安全、あるいは産業を支えることができません。そのためこの情報通信インフラをこれからも発展させていくとともに、持続可能なエコシステムを構築することが、そしてそれを次の世代に繋げていくことが、我々の責務だというふうに思っております」と挨拶した。



 続いて来賓挨拶として、阿達総務副大臣が、「現在開催中の通常国会では4月に放送法の改正法、改正NTT法がそれぞれ成立いたしました。
 また、米国の関税措置が世界経済に大きな影響を与えております。先月25日は私と川崎経済産業大臣政務官とCIAJを訪問させていただき、米国の関税措置が我が国の情報通信産業に与える影響について直接お話を伺う、大変貴重な機会をいただきました。米国への年間数千億の輸出に加え、多くの情報通信関連機器企業が北米に販売開発拠点をお持ちであり、将来のビジネスへの影響も含めたご懸念を  お示しなり、情報通信業界の危機感を強く感じたところです。国内メーカーに優位性のある分野での競争力確保に向けたご要望もいただいたところであり、これらの取り組みをさらに進めてまいります。
 先月、大阪関西万博が開幕し、私自身も今月26日に視察してまいりました。会場では、未来を先取りした展示を拝見し、未来を実感できる貴重な機会を得ることができました。総務省としても引き続き、情報通信分野の発展に向け、時代を先取りする改革に積極的に取り組んでまいる所存ですので、ぜひ皆様方のご支援とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます」と述べた。



 次に経済産業大臣政務官の加藤明良氏が、「情報通信ネットワークは国民生活を支える社会基盤であり、あらゆる産業や経済の発展に不可欠なインフラでございます。そしてAIの急速な発展、爆発的な利用拡大を契機として、あらゆる産業社会のデジタル化の流れがさらに加速をする中これからの基盤における皆様方のビジネスの重要性がますます高まってきているところでございます。
 昨年、政府はAI半導体分野に対して、2030年度までに10兆円以上の公的支援を行うAI半導体産業基盤強化フレームを策定発表いたしました今月には本フレームを法的に担保する情報処理の促進に関する法律などの一部改正法が国会で成立をいたしいたしました。
 今後この枠組みも活用し、AIや仮想化技術を用いたネットワークの高度化などに向けた研究開発に取り組む予定でございます加えて全国5Gに続き、ローカル5Gの普及のためのキラーコンテンツとなるユースケース創出が重要だと考えております。
 近年、国際的なデータ通信量の急増や切断事故の多発を背景に、海底ケーブルの経済安全保障上のリスクが拡大しているところでございます。また脅威リスクから、我が国の通信産業技術基盤を守るため、自律的な生産供給体制の確保、国際競争力の強化に取り組んでまいります」と語った。



 高木副会長の乾杯の音頭で、懇親会がスタートした。

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。