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富士通、超音波解析AI技術を搭載した世界初の冷凍ビンチョウマグロの脂のり検査装置をソノファイが販売開始
デジタル技術で匠の技を継承した装置開発を行う静岡発のスタートアップであるソノファイ(以下、ソノファイ)は、富士通(以下、富士通)、および食品加工装置を製造販売するイシダテック(以下、イシダテック)、ならびに東海大学[静岡キャンパス]で共同開発した冷凍ビンチョウマグロの脂のりを判定するAIを搭載した自動検査装置「ソノファイT-01」(以下、本装置)を、水産加工業や漁協など向けに2025年6月に国内で販売開始し、順次グローバルにも展開していきますと発表した。
本装置は、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術として開発した超音波解析AI技術を活用することで、世界で初めて非破壊でAIによる冷凍ビンチョウマグロの脂のり判定を実現し、目視検査に頼ることなく自動で、より高精度な脂のり判定を行います。また従来の脂のり判定から最大80%の省力化や作業効率化が可能になることにより、冷凍ビンチョウマグロの全数検査を実現し、ビントロと呼ばれる脂ののった高付加価値商品の流通量の増加に貢献します。
近年の日本食ブームを背景に、マグロ類の世界における漁獲高は20年で25%ほど増加しており、国際的にマグロの品質要求も年々向上しています。また、これまで生食が主流ではなかったビンチョウマグロも、年間を通して安価で安定して入手できることから、近年では脂がのった個体を中心に外食産業での需要が高まっています。
従来、ビンチョウマグロの脂のりを確認する作業は、職人の目視に頼っていました。これは、冷凍されたマグロの尾の部分を切り出し、解凍して脂のりを確認する「尾切り選別」という工程で、多くの人手と時間がかかります。しかし、作業者によって判定にばらつきが生じていたり、熟練した職人が不足していたりすることから、水産商社や加工業者が、安価なビンチョウマグロを全数、正確に尾切り選別することは極めて困難でした。そのため、ビントロと呼ばれる脂ののった高付加価値のビンチョウマグロを、適正な価格で市場に流通させることが難しい状況でした。
上記の課題を解決するため、マグロのおいしさ研究に知見を持つ東海大学と超音波解析AI技術を開発した富士通が2022年4月より共同研究を行い、2023年12月にビンチョウマグロを対象に検証を行ったところ、尾切り選別以上の正解率で脂のり判定に成功しました。また、本研究成果の商用化を目指して、イシダテックが自動検査装置のハードウェアの開発を行い、ソノファイが富士通から実施許諾および技術供与を受けた超音波解析AI技術を本装置に実装しました。
この記事を書いた記者
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営業部所属
主に企画、広告営業を担当。
お付き合いで始めたゴルフが、今では一番の趣味。
最近ではギアにもこだわりをもっています。