
デル・テクノロジーズ、日本を含むアジア太平洋諸国のソブリンAIへの取り組みに関するホワイトぺーパー「世界をリードするソブリンAI国家の構築」を発表
デル・テクノロジーズは、日本を含むアジア太平洋諸国のソブリンAIについて、調査会社
であるIDCに委託して実施した調査の結果をまとめたホワイトペーパー「世界をリードするソブリンAI国家の構築」を本日発表しました。
日本はソブリンAIを最優先の戦略的投資であると位置づけており、アジア太平洋諸国全体の政府機関における平均の4倍以上となっています。これは、日本政府が2024年にNVIDIAや国内プロバイダーといったAIインフラストラクチャー パートナーに対して7億4,000万米ドル(約1,147億円)以上の投資をしたことが含まれています。
このホワイトペーパーでは、日本が経済の強化、データ セキュリティー、技術的な自立性を達成するためにソブリンAIを推進していることが明らかになりました。一方、日本の政府機関におけるソブリンAI導入の最大の障壁として、倫理的な懸念(55%)を主な要因として挙げました。
また、日本がグローバルなビジネス機会に対してAIの活用を重視していることを反映し、まだ定義されていない国際基準やガイドラインと互換性のないソブリンAIモデルが開発される可能性があるという懸念(50%)が明らかになりました。
日本に関する主な調査結果
• 日本政府は2024年にNVIDIAや国内プロバイダーなどのAIインフラストラクチャー パートナーに7億4,000万米ドル以上を投資。
• 日本の政府機関におけるAI(30%)および生成AI(40%)の導入率はアジア太平洋諸国で最も低いが、ソブリンAIの導入率は地域で最も高く、50%がすでにそのアプローチを採用。
• 日本の政府機関におけるソブリンAIの導入を阻む倫理的な懸念はアジア太平洋諸国で最も高い(55%)が、AIモデルにより合成データを作成することでこうした課題を克服することが可能。
• 日本の政府機関は、AI主導型経済を推進するためにデジタルマーケティング ツールを最も重視(アジア太平洋諸国で最高の70%)しており、ユースケースとして財務の自動化(60%)、政策または予算シミュレーション(55%)が上位に位置する。
デル・テクノロジーズのアジア太平洋、日本およびグレーターチャイナ担当プレジデントを務めるピーター マース(Peter Marrs)は、次のように述べています。
「ソブリンAIとは、地域の価値観に合わせながら、セキュリティーとイノベーションを確保するために重要なAIインフラストラクチャー、アルゴリズム、およびデータに対するコントロールを維持しようとする国家の能力を指します。政府のための政府、産業のための政府、政府と産業界の連携という三つの戦略的アプローチが考えられますが、ソブリンAIの持つ可能性を最大限に引き出すためには、政府と産業界の連携に最も期待を寄せています。」
他の重要な調査結果
• 2025年にアジア太平洋地域の国家政府は、AI投資の3分の1をソブリンAIに割り当てる予定。
• 2027年までに、アジア太平洋諸国の政府の60%が、データ コンプライアンス、運用の保証とレジリエンスを強化し、技術的なロックインのリスクを軽減するために、AI調達に主権要件を組み込むと予測。
• AI調達プロセスに主権要件を組み込み、データコンプライアンス、運用保証、回復力を強化し、技術のロックインのリスクを低減することを目指す。
• アジア太平洋諸国の政府機関のうち、責任あるAIの要件を満たす機関全体のガバナンスポリシーを適用しているのは25%のみで、約3分の1は2025年に適用する予定がないと回答。
• 多くの政府機関は、データの準備と相互運用性の課題に対応する準備が不十分であり、データガバナンスやスキルが最大の課題であることが判明。
• 約10%の政府機関は、AI主権を確保するために国が国境内で機密データを保存および処理できるよう 構築されたローカル主権LLM(大規模言語モデル)の構築を重要と考えているが、このアプローチは初期コストやスキル不足という大きな課題に直面。
• ソブリンAIは、国家安全保障、経済力、国民の信頼獲得に不可欠。アジア太平洋諸国の政府は、 ソブリンAIに投資することでAIの可能性を最大限に引き出し、将来のテクノロジーを制御しながら活用することが可能。
• ソブリンAIのエコシステム全体が連携する必要があり、スタートアップ企業からインフラストラクチャー、コンピューティングリソース、アプリケーション、専門技術ベンダーに至るまで、すべてのバリューチェーンの当事者がソブリンAIを構築するために参加する必要がある。
調査結果をまとめたホワイトペーパーの全文は、「世界をリードするソブリンAI国家の構築」をご参照ください。
デル・テクノロジーズでは、国家のソブリンAIの目標をサポートするソリューションとサービスを提供することに尽力しています。また、拡張可能で安全なインフラストラクチャーと協力的なパートナーシップを通じて、政府や業界が戦略的目標を達成できるよう支援し、グローバルな連携を強化しながらイノベーションを推進しています。
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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