スカパーJSAT、郵船クルーズ「飛鳥Ⅲ」に高速インターネットサービス3種の提供決定

スカパーJSAT(東京都港区、米倉英一社長)は、郵船クルーズ(神奈川県横浜市、西島裕司社長)が7月20日に就航した新造クルーズ客船「飛鳥Ⅲ」に、自社衛星を活用した「JSATMarine(ジェイサットマリン)」をはじめ、同社が代理店を務める英インマルサット社「Fleet Xpress(フリート・エクスプレス)」および米スペースX社「Starlink Business(スターリンク・ビジネス)」の計3種の海上通信サービスの提供を開始した。
 
これにより、乗客の動画視聴やSNS利用といった乗客の日常的な通信ニーズから、船陸間の業務通信、乗組員の福利厚生まで幅広い通信ニーズに対応し、快適で安全な船旅に貢献する。

 

今回「飛鳥Ⅲ」に導入された3種の通信サービスは共に連携・相互補完することで、多層的で信頼性の高い海上の通信インフラを構築する。中でも「JSATMarine」は、スカパーJSATが衛星および地上局の運用から回線提供までを一貫して担う自社サービスで、船陸間の業務通信を支える回線として機能する。運航管理や船内システムの安定運用に不可欠な通信としての役割を担うという。

 

「飛鳥Ⅲ」に設置されているJSATMarineアンテナ外観
 

「Fleet Xpress」は、スカパーJSATの子会社であるJSAT MOBILE Communications経由で提供するサービス。インマルサット社の衛星を用いた通信サービスで、KaバンドとLバンドの異なる周波数帯に対応したハイブリッド構成により、通信範囲を補完し合う。「飛鳥Ⅲ」では、Kaバンド用とLバンド用アンテナをそれぞれ1基ずつ設置することで途切れにくく、冗長性の高い通信構成を実現する。主に船内の電話回線として活用されるという。
 
「Starlink Business」は、スペースX社の低軌道衛星による高速・大容量通信サービスで、乗客が洋上でも快適に動画視聴やSNS利用のできる環境を実現する。乗組員が家族とのビデオ通話やSNSを利用できるなど、福利厚生の充実にも寄与する。

 

スカパーJSATは今回の取り組みについて「今後も海上通信の進化と品質の向上に取り組み、船舶運航を支える重要な通信インフラとして、お客様の多様なニーズに応え、さらなるサービスの向上に尽力してまいります」とコメントしている。