JAXA認定の宇宙ベンチャー天地人、大分県・中津市上下水道部が「天地人コンパス 宇宙水道局」を導入

 JAXA認定の宇宙ベンチャー 天地人(東京都中央区 代表取締役 櫻庭康人)は、大分県・中津市上下水道部と水道DXソリューション「天地人コンパス 宇宙水道局」の導入を契約したと発表した。「天地人コンパス 宇宙水道局」は、衛星データを活用し持続可能な水道事業の実現を支援する水道DXソリューション。主に以下の機能を提供している。

1. 漏水リスク評価に基づく音聴調査支援
衛星データを活用した数メートル単位での管路のリスク診断により、高い解像度で現在・近未来の漏水のリスクの把握が可能。また用途に応じて、メッシュ単位での漏水リスク診断にも対応する。漏水する可能性が高いエリアを絞り込むことで、優先的に調査すべき場所を簡単に見つけられ、効率的な維持管理を実現する。

2. 地域特性に応じた水道管の管路の更新計画策定を支援する機能
管路診断結果に基づく「健全度」(漏水リスク診断結果)と、一般住宅から重要給水施設(病院、学校、避難所など)まで、あらゆる施設や暮らしへの影響を包括的に考慮した「重要度」を組み合わせて評価することで複数の「更新優先シナリオ」を作成します。平時の漏水リスクを重視するシナリオや、災害時の社会的影響を重視するシナリオなど、地域課題や目的に応じた柔軟な設定が可能。環境の変動を考慮したシナリオを通じて、各管路の更新優先順位を合理的かつ透明性をもって決定することで、有用性の高い計画策定を支援します。

「天地人コンパス 宇宙水道局」の本質的な価値は、長年蓄積されてきた自治体のデータと最新の衛星技術を融合させることにあるという。この融合から生まれる「漏水リスクの情報」という新たな視点により、従来の音聴調査や更新計画といったアプローチが進化すると考えている、と話した。



■中津市の水道事業の取り組みの紹介
 中津市は大分県北部に位置し、豊かな自然と都市機能が共存する地域。市民の皆さまが安心して暮らせるよう、中津市上下水道部では、耐震化対策や老朽管の計画的な更新、徹底した水質検査などを通じて、安全でおいしい水道水の安定供給に努めている。
また、Googleマップを活用した上下水道の管路情報の可視化や、スマートフォンから水道の使用状況や各種手続きが行える「なかつ上下水道ポータル」の運用など、ICTを活用したサービス向上にも積極的に取り組んでいる。
このほか、地域の衛生環境を守るため、合併処理浄化槽の設置に対する補助金制度など、市民の皆さまを支援する制度も展開している。
これらの取り組みを通じて、中津市では、次世代へとつながる持続可能な水道事業の実現を目指しています。

「天地人コンパス 宇宙水道局」は、漏水発見の効率化や調査範囲の絞り込み、業務のDX化を通して、中津市の計画的で持続可能な水道経営に貢献できるよう尽力してまいります、と話した。