
フェリーWi―Fiを本格展開開始、KDDI等Starlinkを活用
KDDIとワイヤ・アンド・ワイヤレスは2025年7月1日から、高速・低遅延の衛星ブロードバンドStarlinkを活用した船上Wi―Fiサービス「フェリーWi―Fi」の本格提供を開始した。2025年度中に10隻に導入を予定している。
「フェリーWi―Fi」は、高度約500キロ上空の宇宙空間に存在する数千ものStarlink衛星と海上のアンテナをつなぐことでフェリーで高速Wi―Fiが利用できるKDDI・Wi2のサービスで、2025年1月に導入を開始した。
四方を海に囲まれた日本にとって重要な交通インフラであるフェリーは、貨物量の増加などに伴う「モーダルシフト」や、インバウンドによる海外からの旅客需要により、近年の需要はさらに高まっている。一方で、船上の通信環境は、海上が携帯通信事業者のエリア外であることから、陸からの電波を拾えるごく一部エリアでしか通信をすることができず、船上に衛星通信が整備されている場合でも、多くの場合は数Mbpsと通信速度の遅い従来の衛星通信サービスが使用されていた。
こうした中で導入された「フェリーWi―Fi」は、電波の届きにくい船上で最大220Mbpsの高速衛星通信を提供し、家族や友人との連絡、SNSや動画の閲覧などを実現。これまでは東京九州フェリーの「はまゆう」と「それいゆ」、新日本海フェリーの「らべんだあ」と「あざれあ」で期間限定で提供していたが、利用客からの反応を受け、通年での提供を開始すると共に、対象船舶を拡大するという。
対象航路と船舶は次の通り。
▽「はまゆう」「それいゆ」(神奈川県横須賀~福岡県新門司)2025年7月1日から
▽「らべんだあ」「あざれあ」(北海道小樽~新潟県新潟)2025年7月1日から
▽「すずらん」(北海道苫小牧東~福井県敦賀)2025年7月中旬予定
▽「すいせん」(北海道苫小牧東~福井県敦賀)2025年7月下旬予定
▽その他4隻(北海道~関東・関西エリアなど)2025年夏以降順次
KDDI担当者によると、利用客からは「非常に快適、日常の移動手段としてフェリーがさらに使いやすくなった」「Starlink衛星通信サービスが無料で使えるauは魅力的」と好評を得ているという。また、導入を決定した船舶会社からは「航海中のネット接続に課題があったが、陸上と同じように通信が可能になった」「お客さまから好評をいただいており、ほかの船舶にも拡大をしたい」といった反応があったとしている。
料金プランは24時間1500円で、auユーザーなら無料で利用可能。他社回線やUQ mobile、povo2・0でもau Starlink Direct専用プランなら無料としている。
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