
古野電気、魚群探知機が「IEEE Milestone」認定(3)
――次に会社の経営理念などをお聞きします。古野電気では「新しい価値を生み出すことにより、社会の役に立つ」ことは創業の精神であり、「経営理念」として、全社員が最も大切にすべき価値観と位置づけています。詳しくお聞かせください
「我々のビジネスは船舶用電子機器の提供を中核にしています。どの業種でもそうですがやはり社会の必要性、お客様が満足できる商品やサービスの提供をなくして事業が成り立たない。だから社会に役に立つ必要なもの、それをいかにお客様にとって良い形でご協力できるのかが会社の基本です。これを無くしてしまうと、逆に我々は存続できないということです。お客様にとって必要なものをきちっと適正な価格でご提供し、そこにその使い方までノウハウをご理解いただく、それがフルノの原点となっているということです。お客様が必要なもの、例えば仲間の船を助けないといけない万が一の際にも情報のやり取りが欠かせない、では次は無線機の分野を手掛ける、それから位置情報など。魚が獲れる場所は時期や水温によって変わります。この前豊漁だったのでもう1回あの漁場に行きたいと思っても経験と勘だけではやはり難しい。そこで、LORAN受信機(電波航法を発展させて開発した現在位置を求める装置)なども手掛けました。そして次に船舶用や漁労用レーダー。船が夜間でも雨の中でも安全に船を動かす。漁船が今どこを走っているのか、それから周りに船がいるのかどうかなど安全な航海においてレーダーは欠かせません。お客様に必要な電子機器を可能な限りフルラインナップ化してきました。営業はお客様の欲しいものを吸い上げてくる。そして、適切な機器を提供し、取り付け工事から万が一トラブルが起こったときに修理も行う。トータルソリューションでお客様に提供してきました」
――新しい価値を生み出す源泉を「SPC&Ⅰ」という言葉で表現しています。詳しくお聞かせください
「SPC&ⅠのSはセンサー。Pはプロセッシングでセンサーからの情報を分析計算して結果を提供する。Cはコミュニケーション、通信関係そこを&Iでインテグレーション、統合するという意味です。センサーを通じて得たお客様にとって必要な情報を分析し、表示して伝える。それらを全部統合してパッケージで提供する考えで、新しい商品・サービスを提供してきました。漁師さんから見たら、ひとつは魚を早く見つけて魚を上手に獲る。当然ながらそこの行き来の安全航海と、万が一の時は、互いにやり取りできる通信、そういうものが必要なのでそのすべてを提供させていただく。お客さんから見たらフルノに頼めば困り事を解決してくれると、お客様との関係が非常に太くなってきたのです」
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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