富士通、「Fujitsu Uvance」(フジツウユーバンス)説明会(5)

このほかAIアバターによる多言語プレゼンテーションも注目を集めた。日本語のプレゼンテーション資料をAIに読み込ませて、本人の顔や声をもとに作られたアバターが代わって外国語でプレゼンテーションする動画を生成する。説明文はAIが資料を読み解き作成するため、台本はいらない。ドイツ語やフランス語など30以上の言語に対応している。

富士通は、マツダ(広島県府中町)が掲げる「人とITの共創による価値創造」のもと、意思決定や業務オペレーションのDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた全社データ蓄積およびオペレーション変革の基盤において、「Fujitsu Uvance」のオールインワンオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を提供し、このほどマツダにて本格運用を開始したと発表した。
 本データ基盤は、「Fujitsu Data Intelligence PaaS」とマツダの国内業務に関するデータを連携することで、これまで分散していたデータの統合や可視化により、データに基づいた迅速な意思決定を可能とする。マツダの購買部門においては、これまで業務データが複数のシステムに分散し、集計などのデータ整理に工数を費やしていたが、「Fujitsu Data Intelligence PaaS」の活用とともに、同社のデータサイエンティストが課題整理からありたい姿の明確化やプロトタイプ作成を支援することで、ビジネス状況をリアルタイムに可視化できるようになった。これにより、集計業務や問題点の発見などの負担を大幅に削減し、データに基づいた戦略立案を実現している。
 富士通は、このようなマツダにおける各部門でのアジャイル開発を支援することにより、2023年からこれまで2年間の短期間でマツダの購買部門を含む合計5部門33の新たな業務アプリケーションの開発と実証を実現し、マツダ全社での業務変革の加速に貢献した。マツダは、本データ基盤を活用した業務アプリケーションを2024年12月から段階的に導入し、2025年6月末に工場、情報システム、購買、国内営業の4部門で本格運用を開始している。

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。