
全国の自治体で導入が進むアイコムの防災無線ソリューション 命を守る「必ずつながる」通信網を構築
大型台風や豪雨、地震等によって日本国内では近年、自然災害が増え続けている。それに伴い、全国の自治体では、住民の命を守るツールとして「防災無線」の重要性に注目しているという。そんな中、通信障害に強く、低予算で広域な通信網を構築できるとして、アイコムの無線機シリーズが、厳しい財政状況に悩む地方自治体において支持を集め、全国各地でいま導入が進んでいる。
(写真左から:IPトランシーバー「IP700」シリーズ、衛星通信トランシーバー「IC-SAT100」、通信拡張ユニット「RoIPゲートウェイVE-PG4」)
■全国の自治体から選ばれる、アイコム式〈防災向け無線ソリューション〉
1. 災害時も「必ずつながる」信頼性の高い通信網を低予算で構築
東日本大震災以降、国は防災行政無線のデジタル化を進めているが、そのシステム整備には中継局の設置など大規模な設備投資が必要。一方、税収の少ない地方自治体では、低予算で災害時の連絡網を構築することが喫緊の課題となっている。アイコムのソリューションは、高額な中継局の新設費用を抑えながら、防災行政無線と同等の通信エリアをカバーでき、信頼性の高い通信網を安価に構築できる。
2. 携帯電話網の弱点を克服!ハイブリッド型無線で「途絶えない」通信を実現
近年増加する地震や台風、豪雨などの大規模自然災害では、携帯電話(スマホ)網が使えなくなるリスクが想定される。アイコムは、この課題に対し、以下の3タイプの無線機を組み合わせた「ハイブリッド型の無線ソリューション」を提供している。
「RoIPゲートウェイVE-PG4」を活用した通信概念図
▶従来型トランシーバー(非IPトランシーバー): 無線機同士が直接通信するため、中継局への電力網の途絶や物理的な損壊があっても通話可能。
▶通信障害に強いIPトランシーバー: 携帯電話網を利用するIPトランシーバーは、遠距離でも使える高い利便性と広域性を持つ。アイコムは、IPトランシーバーと非IPトランシーバーの2つの通信方式を持つ業界初のトランシーバー「IP700」シリーズや、SIMカードをキャリア別(au回線、NTTドコモ回線)に2枚挿せる「デュアルSIM」対応製品を開発、通信障害発生時も即座に回線を切り替え、リスクを低減する。
▶地球全体をカバーする衛星通信トランシーバー: 地上インフラに頼らず長距離通信ができる衛星通信トランシーバー「IC-SAT100」「IC-SAT100M」を日本で唯一提供。66機の周回衛星を利用するため、端末のアンテナを特定の衛星に向ける必要がなく、北極や南極を含む地球全体で安定した通信を確保できる。操作は「通話」ボタンを押すだけで行える。
3. “魔法の箱”で既存の無線機を最大限に活用
自治体がこれまで使ってきた既存の無線機も、アイコムが「魔法の箱」と呼ぶ通信拡張ユニット「RoIPゲートウェイ VE-PG4」によって、新しい無線システムに統合できる。このユニットは、周波数や機種の異なる無線機(非IPトランシーバー、IPトランシーバー、衛星通信トランシーバー)から電話、インターホンまで、様々な通信機器の相互通信を可能にする。これにより、自治体が保有する“無線資産”を最大限に活用しながら、安価に広範囲をカバーする通信網を構築できる。
■導入事例:東京都奥多摩町
都内最高峰・雲取山などの山々に囲まれ、面積は都内で最も広い地域の東京都奥多摩町。ここでは、災害時の孤立リスク低減が重要な課題だった。2022年末にアイコムの「防災向け無線ソリューション」を導入し、「情報の孤立地域を防ぐ」ことを最重要項目に掲げ、「低コスト」「広域性」「既存の簡易無線の有効利用」「機器の使いやすさ」をポイントに通信手段を見直した。
奥多摩町は、中継局が不要で「低コスト」なIPトランシーバー43台と、使い慣れた無線機と同じ操作性で通信できる衛星無線機20台(IC-SAT100, IC-SAT100M)を導入。さらに、異なる無線機間での通話を可能にする「RoIPゲートウェイ VE-PG4」を導入することで、町役場、消防団、避難所などで使用する多様な通信機器をシームレスに連携させ、情報を瞬時に広く共有できる体制を整えた。これにより、既存のアナログ防災行政無線をデジタルに切り替える際の莫大な予算や、中継局の建設・維持費用を回避しつつ、確実な通信網を確立している。
奥多摩町で導入された主な製品
アイコムでは、「これからも自治体の悩みや要望に応じて、高い技術力と製品力で、住民の命を守る“必ずつながる”通信網の構築を支援してまいります」とコメントしている。
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当