「デジタル化のギアを一段上げて加速を」 JEITA新年賀詞交換会で漆間会長あいさつ
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は1月7日(水)、東京都港区芝公園の東京プリンスホテルで2026年新年賀詞交換会を開き、会員企業関係者ら約700人が新年に向けて門出を祝った。会長の漆間啓漆間啓三菱電機取締役代表執行役社長CEOは「午年に象徴される躍動感を追い風にデジタル化のギアを一段上げて加速させる年にしたい」と語った。
主催者を代表して、漆間会長は、「関税動向や地政学リスクの高まりで世界はかつてない不確実性に直面した。一方でAIはじめデジタル技術が社会の隅々まで浸透し、特別な技術から当たり前の存在に位置付けを変えた一年でもあった。誰もがAIを自然に使いこなし、AIに価値を見出す未来が確実に現実に近づいていると多くの方が実感したと思う。また昨年は大阪・関西万博という歴史的な機会を通じてデジタル社会が描く未来社会が国内外に発信された。会場の随所では技術そのものの先進性に関わらず、技術によって社会課題をいかに解決し、どのような価値を創造するかという明確なメッセージであったと受け止める。そのうえで2025年はデジタル産業の社会的価値と責任がこれまで以上に問われ期待された一年だった」と2025年を振り返った。
続いて2026年については、「我が国は潜在成長率の低迷や生産性の向上といった構造的な課題に直面している。これら課題を乗り越える鍵は間違いなくデジタル技術の力を社会全体で活かしきること。個々の取組にとどまらない社会全体のデジタルトランスフォーメーションが求められている。私たちデジタル産業はその変革を支える基盤であり中核を担う存在。皆さんと力を合わせて持続可能で豊かな道筋を共に描き共に実行していきたい。午年にふさわしく力強く第一歩を踏み出し、その歩みを確かなものにする一年にしたい」と意気込んだ。
続いて来賓を代表して、赤沢亮正経済産業大臣があいさつ。「昨年は成功裏に閉幕した大阪・関西万博について多大なる支援をいただき厚く御礼申し上げる。世界では米国の関税措置や米中はじめ各国のあからさまな自国優先の大規模な産業政策が展開されている。地政学的な影響が世界や我が国の経済に深刻な影響を与えかねない。自由主義経済の潮目が変わりつつある中で、我が国の生活や産業に及ぼされる負の影響を極力なくすのが喫緊の課題であり、官民力を合わせて取り組む必要がある。我々経産省も覚悟を決めて必要な産業政策を積極的に推進する用意がある。またAIやデータセンターの活用による電力需要の拡大が見込まれる中、エネルギー供給が我が国の経済成長の制約とならないようにしないといけない。こうした中で、高市内閣の成長戦略の一つである危機管理投資、成長投資の促進に取り組む。強い経済を実現するため、エネルギーやAI、半導体、量子、バイオ、航空宇宙等戦略分野を中心に大胆な設備投資や研究開発の促進等総合的な支援措置策を早急に検討し、官民の積極的な投資を引き出す。また対外経済政策では、米国関税対応等調整を進めていくと同時に、有志国と連携した自由貿易等法の支配の取組を進めるハイブリッドな通商戦略を展開する。半導体分野では、幸い我が国は米国の特別なパートナーとして最恵国待遇を受けることができる。経済安全保障の分野では、重要な物資が特定の国に過度に依存することがないよう強靭なサプライチェーンの構築に取り組む。経産省ではAI、半導体政策を強力に推進し、財源として2030年度までに10兆円以上の公的支援を行う『AI・半導体産業基盤強化フレーム』を策定した。経済安全保障を進めるひな型となりつつある。政策の要となる『ラピダスプロジェクト』は、私自身が千歳工場に足を運んでおり、半導体の試作成功や世界初の600ミリパネル等順調に進捗している。情報処理促進法に基づき昨年11月に次世代半導体事業者にラピダスを選定した。今後情報処理推進機構を通じて出資を行うなど引き続き全力で取り組む」とした。
また新年については「東日本大震災から15年の節目の年。自身現場に足を運んで先頭に立って最後まで復興に取り組むと決意を伝えた。引き続き安全かつ着実な廃炉とアルプス処理水の海洋放出、避難指示解除に向けた取り組み、新産業創出等全力で取り組む。福島の復興と安全かつ着実な廃炉は経産省の最優先課題としてあらためて肝に銘じて取り組む。本年も昨年の取組を更に力強く進め、私のモットーである『力を合わせて世界を変えよう』のフレーズの下で午年にちなんで馬車馬のように全身全霊で職務に取り組みたい」と話していた。
乾杯のあいさつとして、筆頭副会長の新野隆NEC取締役会長が登壇し、「午年の年男として走って走って走り抜けたい。デジタル化加速のギアを上げるアクションの一つはCEATEC。単なる展示会でなく社会実装に向けた挑戦を発信し共創を生み出す中核事業。昨年は10万人が来場した。今年も多くの出展をいただき次のビジネス、連携を生み出して社会全体のデジタルトランスフォーメーションを会員一丸で進めていきたい」と呼び掛けていた。
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