NTTが25年度第3四半期決算を発表 携帯市場の競争激化で下方修正
NTTは5日、2025年度第3四半期連結決算を発表した。営業収益が前年同期比3.7%増の10兆4210億円となり、第3四半期として過去最高を更新。法人ビジネスの拡大やデータセンターのリート(REIT)化などが寄与し、当期利益も前年同期比8.9%増の9261億円と増収増益を確保した。一方で、2025年度通期の業績予想は下方修正を報告。営業利益は当初予想から約1100億円減の1兆6600億円、当期利益は750億円減の9650億円となる見通し。
同社によると、下方修正の主な要因はNTTドコモの顧客基盤強化が利益を圧迫したことで、ドコモの営業利益は当初予想から830億円引き下げられた。島田明社長は会見で、「携帯市場の競争環境が想定以上に激化、長期化している」と指摘。ドコモでは現在、将来の成長に向けた顧客基盤の強化やモバイルネットワークの品質改善を加速させており、販売促進費や設備投資などのコストが膨らんでいるとした。
島田社長は、シェア維持の重要性について「将来的に金融やエンターテインメントなどの付加価値サービスを展開する上でも、今のシェアを維持することが不可欠だ」と述べ、短期的な利益減を容認してでも基盤固めを優先する姿勢を強調した。
一方で、新領域への投資は着実に成果を上げており、AI関連ビジネスの受注額は第3四半期までに1478億円に達し、年間目標の1500億円を大きく上回るペースで推移しているとした。独自の生成AI「tsuzumi」は自治体、金融、医療分野を中心に約2000件の引き合いがあるとし、次世代通信基盤「IOWN」の柱となる光電融合デバイスについても、2026年度中の商用提供開始を目指すとした。量産化に向けた自動化工程の導入により、需要に応じて月産最大3万台まで生産能力を拡大できる体制を整える計画としている。
また同社は2026年7月を目途に、金融事業を統括する中間持株会社を設立する方針を明らかにした。dカードやd払い、住信SBIネット銀行などを傘下に集約し、意思決定の迅速化と行政対応の強化を図る。株主還元については、2000億円を上限とする自己株式取得が1月末時点で約1740億円(進捗率約9割)まで進んでいることを公表。島田社長は「今後も厳しい環境は続くが、コスト削減や業務効率化を加速させ、業績の早期回復を図りたい」と意欲を示した。
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