ソフトバンク、純利益過去最高へ上方修正 AIインフラと「質」への転換で成長加速
ソフトバンクは2月9日、2026年3月期第3四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比8・0%増の5兆1954億円となり、第3四半期累計として過去最高を記録した。営業利益は7・6%増の8841億円、親会社の所有者に帰属する純利益は11・2%増の4855億円と、全部門で堅調な伸びを見せた。この好調な進捗を受け、同社は通期の業績予想を上方修正し、営業利益1兆200億円、純利益は過去最高の5430億円を目指す方針を明らかにした。
セグメント別では、ファイナンス事業が劇的な成長を遂げた。PayPayとPayPayカードの決済取扱高が拡大し、セグメント利益は前年同期比103%増の660億円と倍増した。また、エンタープライズ事業も企業のデジタル化需要を捉えたソリューション売上が13%増と伸長し、利益成長を牽引している。
主力であるコンシューマ事業では、戦略の大きな転換を強調した。これまでの「契約数拡大」重視から、長期利用ユーザーを重視する「質への転換」へと舵を切ったと説明。短期解約を繰り返す「ホッピングユーザー」の獲得抑制により、直近3ヶ月のスマートフォン契約数は10万件の純減となったが、宮川潤一社長はこれを「サステナブルな経営のための意思を持った取り組み」と説明し、解約率の低減と収益性の向上に自信を見せた。
またAI時代の到来を見据え、自社開発の「Infrinia AI Cloud OS」を発表した。これにより、海外事業者に依存しない「ソブリンクラウド」の構築を目指すとしている。また、固定通信分野ではソニーネットワークコミュニケーションズとの合弁会社設立に言及し、光回線設備の共同保有・運用による投資効率の向上を図る構想を打ち出した。
さらに、大幅な「経営体制の若返り」についても発表した。代表取締役副社長の榛葉淳氏が会長に、CFOの藤原和彦氏が特別顧問に退くなど、レジェンド世代から次世代へとバトンをつなぐことで、新任役員の平均年齢は約10歳若返った52歳となった。今後はAI領域などを強化する機動的な体制へと移行するとしている。
宮川社長は、「第3四半期は増収増益を継続し、売上、営業利益、純利益の通期予想をアップデートさせていただいた。過去最高である純利益の目標達成については十分到達できると思っている。若返った執行体制のもと、成長戦略をこれまで以上に強力に推進していきたい」と意欲を示した。
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