「2026年はネットワーク強化の年」 楽天2025年度通期決算、赤字脱却に決意
楽天グループは2月12日、2025年度通期(2025年1月~12月)の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比9・5%増の2・5兆円に達し、29期連続の増収を達成した。一方、損益面では改善が進むものの、親会社の所有者に帰属する当期損益は1779億円の赤字(前年度は1624億円の赤字)となり、依然として厳しい状況が続くる。
焦点のモバイルセグメントでは、楽天モバイルが期初目標としていた全契約回線数1000万回線を突破(1001万回線)し、EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)で129億円の通期黒字化を初めて達成した。
しかし、減価償却費などを含むモバイルセグメント全体のNon―GAAP営業損益は1618億円の赤字を計上。前年度(2089億円の赤字)からは471億円の大幅な改善を見せたものの、単体での完全黒字化には至らなかった。特に第4四半期は、契約獲得を加速させるための販促費などの先行投資により、前四半期比で損失が一時的に拡大した。
グループ全体の最終損益が1779億円の赤字となった背景には、モバイル事業の営業損失に加え、将来の成長を見据えた不採算事業の整理に伴う多額の減損損失があった。具体的には、海外展開を担う楽天シンフォニーで205億円、物流事業で100億円、倉庫型ネットスーパー事業で279億円の減損を計上した。これらの一過性の損失計上により、今後の経営リスク低減を図る構えとしている。
2026年度に向けて、「ネットワーク強化」「AI活用加速」「エコシステムシナジー拡大」の3点を重点領域に掲げており、特にインフラ面では、26年度に2000億円強の設備投資を計画。通信品質の向上に一層注力するとしており、東京都内での5G基地局の追加開設や、山手線全駅・地下鉄全区間での電波大幅強化を2026年半ばまでに完了させる予定。
AI戦略(AI―nization)も収益に大きく貢献しており、2025年度にはAI活用によって255億円の利益創出を達成した。独自のLLM「Rakuten AI 3・0」の活用により、さらなるコスト削減と顧客体験の向上を目指す。
三木谷浩史会長兼社長は、「皆さまに支えられて1000万回線を突破し、EBITDAの通期黒字化という大きな節目を達成できた。力強い成長と収益改善をお示しできた」と自信をのぞかせた。
今後の戦略については、「2026年は『ネットワーク強化の年』として、2000億円強の設備投資を行う。通信品質の向上は契約者拡大に直結する重要な鍵だ」と強調。「モバイル契約者の楽天市場での購買額は非契約者より約50%高く、エコシステム全体の成長を牽引している。AIとモバイルを軸に、さらなる飛躍を目指す」と赤字脱却と持続的成長に向けた決意を示した。
この記事を書いた記者
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