2024年10月28日(7736号)
語学教材などで知られる教育系出版社の朝日出版社(東京)が、M&Aに伴う騒動に揺れている。同社経営陣が「緊急のお知らせ」と題してホームページ上で公表した声明によると、同社創業者である会長の原雅久氏の死去に伴い、氏が保有していた株式100%を法定相続人の家族が相続。この全株式について、小川洋一郎社長をはじめ経営陣に詳細を知らされることなく相続人による譲渡契約の話が進められたうえに、反対していた小川社長はじめ取締役6人全員が突如として株主総会による正式な手続きを経ることなく解任。新たに3人の取締役が就任したという。いわゆる「乗っ取り」とも言える状態だ。小川社長はじめ旧経営陣らは解任無効を訴えており、従業員ら労働組合はスト権を確立して団体交渉を申し入れ、説明を求めているが新取締役側は応じる姿勢を示していないという▼同社は大学生向けドイツ語テキストの出版を契機に1962年に創業。教科書のほかに「CNN ENGLISH EXPRESS」等の英語雑誌や哲学、科学系の出版で知られる。かくゆう記者も一時は英語学習のお世話になっていた▼一部報道によると、相続人は創業者と不仲の状態が続いていたという。会社側の声明が事実ならこれほど残念な話はない。何とか乗り切ってくれることを願う。(K)
この記事を書いた記者
- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
最新の投稿
- 情報通信2024.12.09MCPCが5年ぶりに交流・意見交換会開催
- 情報通信2024.12.06NTTアクアを設立
- 情報通信2024.12.04GXソリューションに向けた検討をスタート
- 情報通信2024.12.04「カスハラ」対策やAI活用した課題解決など紹介