
衛星放送協会「第15回衛星放送協会 オリジナル番組アワード」全部門の最優秀賞を発表
有料多チャンネルの優れたオリジナル番組・コンテンツ展開・番組宣伝・広告企画を表彰
一般社団法人衛星放送協会(東京都港区、滝山正夫会長)は6月9日、同協会が主催する「第15回衛星放送協会 オリジナル番組アワード」の番組部門6ジャンル、コンテンツ展開部門、番宣部門、広告部門の最優秀賞および審査員奨励賞を含む、全受賞作品を発表した。7月23日によみうり大手町ホール(東京・大手町)で開催される授賞式で番組部門6ジャンルの最優秀賞の中から「グランプリ」番組が選ばれる。
「衛星放送協会 オリジナル番組アワード」は、衛星放送協会の加盟社が制作した話題性のある作品を表彰し、受賞作品の全国周知を目的に2011年創設されたアワード。2024年はWOWOWが制作した「生中継!新しい学校のリーダーズの初武道館『青春襲来』」(中継番組部門)がグランプリを獲得した。
審査対象は「番組」「コンテンツ展開」「番宣」「広告」の4部門で、「番組」部門は、「ドラマ」「ドキュメンタリー」「中継」 「文化・教養」「バラエティ」「ミニ番組」の全6ジャンル。2024年4月1日から2025年3月31日までの間に衛星放送協会加盟社のチャンネルで初回放送された作品が審査対象となる。
《「番組」部門全6ジャンルの各最優秀賞は以下の通り》
【ドラマ】
番組名:「特集ドラマ『母の待つ里』」
放送:NHK BS(日本放送協会/テレビマンユニオン)
異色の家族小説として大反響を呼んだ浅田次郎の『母の待つ里』を映像化。都会で孤独に暮らす松永徹(中井貴一)、古賀夏生(松嶋菜々子)、室田精一(佐々木蔵之介)の3人の〝子ども〟が、ビジネス上の〝母〟(宮本信子)が待つ里を訪ねる斬新な設定。舞台となる岩手県遠野市の美しい日本の原風景も見所。ベテラン俳優陣による感動のミステリアス・ファンタジー。
【ドキュメンタリー】
番組名:「『はだしのゲン』の熱伝導~原爆漫画を伝える人々~」
放送:BS12 トゥエルビ (ワールド・ハイビジョン・チャンネル)
戦争と核の悲惨さをつづった書物や映像は数多い。しかし、戦争体験世代の高齢化により、その語り継ぎは困難にある。漫画「はだしのゲン」は戦争のリアルを伝える作品として多くの人に支持されてきた。作者・中沢啓治の体験を主人公ゲンに託す形で描かれているが、当時の道徳的価値観の違い、表現の過激さ等を理由に、学校での閲覧制限、教材からの削除など社会問題になったことも記憶に新しい。そうした逆風でも世界中に読者層を広げ、「はだしのゲン」の熱を伝えていく人々がいる。番組では「はだしのゲン」を通して戦争と核、平和への思いを伝える。
【中継】
番組名:「Lemino presents ANIMAX MUSIX 2024 SPRING~LIVE & BACKSTAGE~」
放送:アニマックス (アニマックスブロードキャスト・ジャパン)
© Animax Broadcast Japan.
アニマックスが 「アニメミュージックの魅力を世界へ」をコンセプトに、2009年からスタートしたアニメミュージックイベント。イベントの15周年を記念して、2024年3月30日に開催された「Lemino presents ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」では、西川貴教、茅原実里、May’nなど豪華アーティストに加え、「ゲーソンの女王」KOTOKO、May’nと中島愛による『ライオン』の歌唱など、カバーとコラボレーションで送る熱狂ライブの模様、さらにイベント当日の舞台裏でのアーティストインタビューを組み合わせ、スペシャル版で届けた。
【文化・教養】
番組名:筒井康隆の世界~文学界の巨人 90歳のメッセージ~
放送:NHK BSプレミアム4K(日本放送協会)
2024年9月に90歳の誕生日を迎えた作家・筒井康隆。1960年代から先駆的なSF小説を次々と発表し、「時をかける少女」「パプリカ」など映像化された作品も多い。SNSでの投稿がきっかけで、最近では言葉が次々と失われる実験的な作品「残像に口紅を」がZ世代を中心に人気が再燃。多様なジャンルで600冊以上の書籍を刊行してきた筒井ワールドの全貌と魅力を本人と著名人が語り尽くす。
【バラエティ】
番組名:「Spicy Sessions」
放送:TBSチャンネル1(TBSテレビ)
©TBS
ゴスペラーズの黒沢薫、乃木坂46の中西アルノがMCを務め、毎回一組のゲストを迎えて観覧客を前にバンドの生演奏で歌声を届ける音楽番組。歌唱する楽曲は、ゲストとトークをしながらその場で決定。歌のパート分けやハーモニー、演奏の方向性を黒沢が中心になり、ゲスト、バンドメンバーと会話して作り上げていく。音楽が生まれる瞬間、セッションのワクワクを体感できる刺激的な番組として今、音楽ファンから注目を集めている。ゲストにスターダスト☆レビューの根本要を迎えたこの回では、いつも以上に音楽の楽しさと自由さにあふれ、いま、ここでしか聴けない生の音楽をステージ上の全員で奏でた。
【ミニ番組】
番組名:「うたごはん」
放送:チャンネル銀河(チャンネル銀河)
歌詞の内容や、歌手の持つエピソード、曲のジャンルなどと関連する料理を拵える番組。一軒の飲食店を舞台に、女主人のこだわりやしつらえなど丁寧な暮らしぶりも毎回少しずつ紹介し、店や顔の見えない店主の輪郭が回を追うごとに少しずつ明らかになるドラマ性も若干持たせた。提出した作品は横浜と伊勢佐木町を舞台にした歌と関連する料理をかけあわせたもの。他の回では、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」と終戦後寒さに震えながら連絡船に乗り込む人を温めた青森の郷土料理「生姜味噌おでん」を紹介したり、ちあきなおみの「黄昏のビギン」ではプロデューサーであった夫と開いた喫茶店の名物「クラブハウスサンド」などを取り上げた。
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当