
サイエンスアーツと国際電気がパートナーシップ
サイエンスアーツ(東京都渋谷区、平岡秀一代表取締役社長)と国際電気(東京都港区、佐久間嘉一郎社長)はこのほど、国際電気がサイエンスアーツのアプライアンスパートナーとして、『Buddycomアプライアンスサーバー』(バディコム)の販売を開始したと発表した。本製品は、ローカル5Gとの連携を可能としており、製造業・プラント・インフラを始めとした業界において、安全性・即時性・安定性に優れた音声・テキストコミュニケーションを提供する。今回のパートナーシップについて、狙いなどをサイエンスアーツ取締役企画本部長の平岡竜太朗氏、国際電気DX本部主任の浜田孝之氏に聞いた。
『Buddycomアプライアンスサーバー』は、サーバー機の選定やOS等の各種セットアップ作業など特別な知識がなくとも運用・管理が行える「Buddycom On―Premises」があらかじめインストールされたサーバー。簡単・短期間でオンプレミスでの「Buddycom」利用環境を提供する。
『Buddycomアプライアンスサーバー』と国際電気が提供するローカル5G等の閉域通信網を組み合わせることで、次の特長をもつ完全オンプレミスの「Buddycom」環境を実現する。
▽ローカル5G対応=インターネットや公衆網を介さない、閉域網での安定した、災害にも強い運用が可能に
▽高耐久アプライアンスサーバーの採用=高信頼性のハードウエアを採用し、長期間の安定運用を実現
▽エッジコンピューティング、各種API対応:リアルタイム音声解析やAI・設備連動など外部API連携が可能
▽低遅延・高音質通信=クラウド経由と比較し、通信の安定性・即時性が向上▽高セキュリティ設計=閉域網での運用により、情報漏洩リスクを最小化。
これらにより、工場・プラント・発電所・インフラ管理業務など、ミッションクリティカルな現場での迅速な意思決定を支援する。
――今回のパートナーシップのねらいやメリットをお聞かせください
平岡 「パートナーシップのはじまりは1年ほど前、国際電気様が持っているローカル5Gのアセットと当社の『Buddycom』の特長を組み合わせて、一緒に販売できたらという話があったのがきっかけ。『Buddycom』はクラウドサービスだけで事業を展開してきたが、お客様からオンプレミス(サーバーやネットワーク機器などを自社で保有し運用するシステムの利用形態)で使いたい要望は出ていた。当社がオンプレミスの事業を新しく立ち上げるのは極めてリソースがかかるので、今回の国際電気様とアプライアンスパートナーを組むことになった。国際電気様は導入の運用現場をもっとも知っている。アプライアンスの体系は当社がソフトウェアを国際電気様に提供して、国際電気様がアプライアンスサーバー化して販売する。国際電気様がアプライアンスサーバーを提供してくれるので、当社としてはこれまでお付き合いのなかった幅広い業界にお客様が広がるメリットがある。プラント・工場のほか、病院であったり省庁などの公共なども新しくターゲットにしたい」
浜田 「当社は、70数年間培ってきた無線通信・映像ソリューション分野をコアとして現場の最前線で働く〝フロントラインワーカー〟のDX支援を進めている。現在、ローカル5Gと『Buddycom』の導入を石油製品、化学製品をはじめとしたプロセス製造業の工場に展開している。プロセス製造業の工場は危険物を取り扱っていたりするので、安全にプラントを運転するため人と人とのコミュニケーションが重要である。そういった工場に向けて従来からあるレガシーな無線に変わって『Buddycom』を我々のローカル5G上で動かし利用していただく。ローカル5Gという閉域通信網にて音声や映像データをオンプレミスで通信する、自社内で完結したシステム構成により、輻輳やトラフィックなどでコミュニケーションが取れないのではという不安をなくすことができる。端末も専用端末からスマートフォンにシフトしていくと考え、『Buddycom』を採用した。今後はサイエンスアーツ様から話のあった病院や組立製造業などの分野も開拓していく考えだ」
写真は 「Buddycom」とアクセサリー製品
全文は5月14日付け4面に掲載
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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