[JVCケンウッド・公共産業システム] 『鉄道技術展2025』に出展 運行現場の安全性・効率性・省人化を支援
JVCケンウッドグループのJVCケンウッド・公共産業システムは、11月26日から29日まで千葉・幕張メッセで開催される鉄道ビジネス展示会「第9回鉄道技術展2025」に出展する。
ブースでは、同社が長年培ってきた独自の映像・音響・無線技術を活かして開発した「ワンマン運転用ITV(Industrial Television)システム」「遠隔監視システム」「遠赤外線カメラシステム」など、デジタル技術を駆使した実践的なソリューションを出展する。これらの技術は、路線やインフラの維持、人手不足、自然災害への対応といった鉄道事業が抱えるさまざまな課題に対し、現場の安全性、効率性、そして省人化を支援することを目的としている。
《主な展示技術》
■安全な運行や省人化を支援する「ワンマン運転用ITVシステム」
ワンマン運転での安全な列車運行をサポートするシステム。
①ITVシステム本体:駅ホームの環境に対応するため、逆光パターンやエリア測光機能を搭載したHDハイブリッド・ワイドダイナミックレンジカメラ「TK-HD9801」を駅ホームに設置する。運転室から映像確認を行うほか、統合監視ソフトウェアを連携させ、指令所などの遠隔地からも現場の状況把握を支援できる。

「TK-HD9801」
②リモートメンテナンスシステム:障害発生時、遠隔で迅速な診断と対応を可能にし、現場への人員派遣を最小限に抑えるシステムで、人手不足が深刻化する運行現場において、障害対応や保守作業の効率化、およびサービス品質の向上に貢献する。
③低遅延IPモニタリングシステム:高画質・低遅延IPデコーダーを活用することで、遠隔地からリアルタイムで映像を確認できる。ミリ波の通信障害が発生した際のサブモニターとしても運用が可能だ。これにより、鉄道運行現場の安全確保と迅速な意思決定を支援する。

④防汚対応カメラハウジング:汚れにくいガラス素材を採用した新設計で、視認性を維持しつつ保守性の向上を実現した。防汚ガラスは交換しやすく、容易にメンテナンスできる。
■クラウド型監視カメラシステム
複数の駅構内カメラ映像をクラウド上で一元管理し、遠隔地からリアルタイムで監視、録画、検索できるシステム。クラウド活用と省スペース化:エッジAIユニットを使用して映像をクラウドへ直接保存するため、レコーダーの設置が不要となる。このため、限られたスペースでも柔軟な導入が可能。

①安全監視と運用効率化:人の動きなどのイベントを自動検知する。これにより、無人駅や夜間帯の安全監視を支援し、運用効率の向上と安全運行をサポートする。
②監視カメラ音声認識・テキスト化システム(参考展示):監視カメラに音声認識機能を統合し、音声をテキスト化して映像と紐づけて記録する。テキスト化したデータをキーワード検索することで、会話内容から目的のシーンを素早く確認・再生できる。駅職員の無線通信の音声をテキスト化することで、業務連絡の記録・検索を効率化する機能も持つ。顧客サービスの品質向上やカスタマーハラスメントへの迅速な対応をサポートする。
■遠赤外線カメラシステム
遠赤外線(FIR:Far Infrared Raysにより体温や熱を映像化するカメラシステム。
①夜間・低視認性環境下での活用:光源の有無に左右されることなく、夜間や視認性の低い環境下における安全確認を支援する。
②高画質画像処理技術:独自技術「IPSILOS」(イプシロス)※3により、映像を自動で調整し、高画質化を実現。
③幅広い用途:夜間における踏切やホームでの転落事故防止、沿線への動物侵入検知など、幅広い用途に対応する。 ※3 IPSILOSは、同社が開発した高画質画像処理技術で、カメラ映像をより鮮明にするための独自IP(画像処理エンジン)。
■第9回鉄道技術展2025 概要
会期:2025年11月26日(水)~29日(金)10:00~17:00(最終日は16:00まで)
会場:幕張メッセ 国際展示場 4・5・6・7・8ホール
主催:産経新聞社
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当



