ブルーイノベーション、広域災害対応を自動化へ
ブルーイノベーション(東京都文京区)は6月3日、熊田貴之代表取締役社長最高執行役員らがドローンを活用した災害初動対応全自動化モデル「BEPポート|防災システム」の機能拡張について、オンライン会見を行った。
6月5日まで幕張メッセで開催中の「Japan Drone2026」(主催・一般社団法人日本UAS産業振興協議会〈JUIDA〉)の同社ブースで、『広域災害対応の自動化』を実現する次世代防災インフラとして紹介している。
(写真はブースで「BEPポート|防災システム」を前に熊田社長)
熊田貴之社長は「ブルーイノベーションは、空を社会インフラ化する会社です。私たちは“道なき空に、道をつくります”。災害時、人が危険区域へ向かうのは、それは、まだ“空の道”がないからです。『BEPポート|防災システム』は、Jアラートと連動、避難広報と状況把握をドローンポートシステムで完全自動化します。私たちは“災害時に命を守る道”をつくります」と述べた。
ブルーイノベーションは、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)の公募型共同研究に採択され、都産技研の支援と技術的協力を得ながら、ドローンを活用した災害初動対応全自動化モデル「BEPポート|防災システム」の機能拡張を進めている。
この開発では、従来の津波避難支援を起点とした運用から発展し、地震・津波・洪水・土砂災害・林野火災など、複数災害へ対応可能な“広域災害対応インフラ”への進化を進めている。災害発生時には、避難広報や被災状況確認、道路寸断・緊急輸送道路・重要インフラの状況把握などの初動対応を自動で実施することで、自治体の災害対応を支援する“次世代防災インフラ”の社会実装を目指す。
その背景は、自治体における初動対応は、限られた人員で複数地点への同時対応が求められていることから、現地の状況や逃げ遅れの有無を十分に把握できないという課題があることだ。そのため、迅速な初動対応と職員の安全確保を両立する手段が求められている。
ブルーイノベーションは、都産技研の支援のもと、ドローンによる自動化・遠隔化を通じて、『住民の安全を守りながら、職員を危険区域へ向かわせずに災害対応できる』防災の実現を目指し、開発を進めている。
具体的には、ブルーイノベーションの独自デバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform」(BEP)を基盤に、災害初動を自律化する2つの中核機能を実装する。
▽Jアラート連動による即時出動とマルチミッション・連続飛行機能
Jアラートの受信と連動し、1分以内にドローンが自動で離陸する。その後、『避難広報』『被災状況の確認』『要救助者の捜索』など、複数の災害対応ミッションを自動で連続実行する。
各ミッション終了後はドローンポートへ自動帰還、自動充電後に次のミッションへ移行することで、人手による再設定や再出動を必要とせず、災害初動におけるタイムロスを最小限に抑える。
▽複数機体による同時運用・広域連携
複数のドローンポートを連携させ、広域エリアを分担してカバー。例えば、2拠点のポート配置により、従来は人手と時間を要していた約10kmの沿岸部を、約7分で全域確認できる見込みという。
このシステムの導入により、災害発生直後の『空白の時間』を最小化し、データに基づいた迅速な意思決定を支援する。津波警報時や土砂災害警戒区域など、危険区域へ職員を派遣する必要性を低減し、災害対応時の安全確保にもつなげる考えだ。
想定シーンをみると、津波・洪水対応では、Jアラート連動による1分以内の自動離陸により、人の手を介さず、全沿岸・河川域の避難広報と状況確認を同時に実施する。広域捜索では、複数機により広範囲の状況を上空から確認し、要救助者等の早期発見を支援する。インフラ被災状況把握では、道路・橋梁・河川などの被災状況を広域かつ同時に把握し、復旧判断の迅速化を支援する。
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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