
技研公開連載① ~イマーシブメディア~
NHK放送技術研究所(技研)の「技研公開2025」が、5月29日(木)から6月1日(日)の4日間、東京都世田谷区砧の技研にてリアル開催される。「広がる つながる 夢中にさせる」をテーマに展示される研究成果など18項目のうち、本紙では開催直前まで見どころを連載としてお届けする。
第1回は、その場にいるような世界を体感できるイマーシブメディアの実現に向けた研究開発の展示を紹介する。
▽「広がるコンテンツ体験」
未来のコンテンツのコンセプトとして、視聴体験が空間的、感覚的に広がるイメージを紹介する。視聴体験が空間的に広がるイメージとして、コンテンツを一緒に楽しむ近未来のARコミュニケーションが体験できる。離れた場所にいる家族や友人などと同じコンテンツを見ながら、空間を超えたコミュニケーションが可能となり、コンテンツをきっかけとした会話や発見が生まれる新しい視聴体験を提案する。
視聴体験が感覚的に広がるイメージとして、3Dディスプレーと触覚・香りディスプレーにより、複数の感覚でインタラクティブなコンテンツが体験できる。コンテンツがあたかも目の前の空間に存在し、見る人の実世界に働きかけてくるかのような没入体験を提案する。
▽「イマーシブメディア体験」
技研が目指す目標や方向性を描いた「Future Vision」に掲げるイマーシブメディアの実現に向けて、画素数30K(30720×15360画素)のカメラで撮影した超高精細な360度映像を、画素数15K相当のプロジェクターで半球型スクリーンに投影する。HMDなどのデバイスなしで360度映像と立体音響による没入感を体験できる。展示するカメラ、プロジェクターはどちらも新たに開発した。
▽「シーン適応型カメラ」
さまざまな被写体が画面内に存在する広視野映像を高品質に撮影するため、被写体の明るさや動きに応じて、局所的に撮影モードを制御する技術の研究を進めている。4K解像度を有し、4×4画素の微小エリアごとに異なる解像度やフレームレート、露光時間を設定できるイメージセンサーと、被写体の特徴解析とイメージセンサーへのフィードバック制御をリアルタイムに処理する技術を開発した。これらの技術を用いて、撮影シーンの変化にも逐次適応して高品質な広視野映像を撮影するカメラを実現した。
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
最新の投稿
レポート2025.10.17マグナ・ワイヤレス、今12月にポスト5G対応半導体モジュールをリリース
プレスリリース2025.10.17ウエスタンデジタル、AI・クラウド時代の顧客成功を加速させる拡張版システム統合テストラボを開設
プレスリリース2025.10.17出光興産 開発した宇宙用CIGS太陽電池がJAXAの新型宇宙ステーション補給機HTV-X1のSDX実証装置に搭載
プレスリリース2025.10.17ASUS、ボーカロイド初音ミクとコラボレーションした特別なゲーミングコレクション、「ROG × 初音ミク」エディション発売日決定。さらに「TUF Gaming × 初音ミク」のゲーミング周辺機器も再販決定!