商号を「NTT株式会社」に変更 NTTグループがCIを刷新 海外事業の強化見据え

 NTT(本社:東京都千代田区、島田明代表取締役社長)は、2025年7月1日からCI(コーポレートアイデンティティ)を刷新し、商号を日本電信電話株式会社からNTT株式会社へと変更し、新たなコーポレートロゴを採用すると発表した。これに伴い、NTTグループ各社もコーポレートロゴを一新する。

 島田社長は変更理由について、「NTTグループはCI刷新により、グローバル企業としてブランド強化を図り、IOWNやAIなど先進的なテクノロジーを活用し、お客様体験(CX)の高度化を目指して様々な挑戦を加速させていく」と説明し、海外事業の強化を強調した。

 NTTによると、NTTグループは1985年の民営化以来、固定通信からモバイル通信、ITビジネス、不動産やエネルギーなど多角的な事業を国内外で展開し、社会課題の解決に取り組んできた。民営化から40年が経過し、設立時に設定した「日本電信電話株式会社」という商号と、事業内容のギャップが大きくなっていることを背景に、競争の激しいグローバル市場において、国内外統一のコンセプトのもとNTTグループの技術力やケイパビリティを分かりやすく示し、先進的なグローバル企業としてのブランド向上を図るため、グループのCIを刷新する。

 新CIは2025年6月19日の第40回定時株主総会への付議を予定している商号の変更予定日である2025年7月1日から適用する。

 新たなCIのポイントは次の通り。

 ①グローバル市場を重視した商号、ロゴデザインへの刷新

 商号については、国内だけでなく海外の利用客にも通ずるNTTを正式に採用し、グローバルで事業展開を加速させる。ロゴデザインについては、1985年に策定されたダイナミックループを新たなコーポレートロゴでも継承。ロゴタイプは、グローバル市場で既に使用しているフォントを採用し、カラーをブラックからブルーに統一する。

 これまでも利用してきたシンボルロゴデザインのダイナミックループは、一本の曲線により企業のダイナミズムを表現し、マークの上部の小さなループは、常に利用客、社会の声を企業活動の原点として吸収し、広く社会の役に立っていこうという普遍的な企業姿勢を表現。国内外で広く浸透していることから、NTTグループのブランドのシンボルとして、グループ各社で使用していく。


 ②NTTグループの企業ブランド統一

 新たなCIに定めたロゴデザインはグループ各社のコーポレートロゴにも適用する。NTTデータグループは、国内事業でもダイナミックループを採用し、国内外でのブランド統一を図る。
 NTTドコモグループは、国内でイメージが定着しているレッドをダイナミックループに適用し、新たなコーポレートロゴに採用。グループのうち、持株会社のNTT▽NTTデータグループ/NTTデータ▽NTTドコモ▽NTT東日本▽NTT西日本▽NTTアーバンソリューションズ▽NTTアノードエナジーについては7月1日にコーポレートロゴを変更する。また、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズはNTTドコモビジネスに、エヌ・ティ・ティ・コムウェアはNTTドコモソリューションズに社名も変更したうえで同じく7月1日からロゴを刷新する。その他のグループ会社についても順次適用していく方針。

 また商号とコーポレートロゴの変更とあわせて企業理念に当たる「NTT Group’s Core」と「NTT Group’s Values」を制定する。

 NTT Group’s Coreは民営化当時に設定したステイトメントである「ありたい姿(CI検討にあたっての基本的考え方)」を原点と位置付け、現在の経営環境等の変化を踏まえてアップデートした。NTT Group’s ValuesはこれまでのShared Valuesを踏襲したうえで、NTTグループの社員が共通して持つべき価値観や行動指針をよりイメージしやすいような表現とした。

 ◇NTT Group’s Core:「人々の豊かな暮らしと地球の未来に貢献するため、お客さまを発想の原点とし、常に自己革新を続け、世の中にダイナミックな変革をもたらす企業グループをめざす。(英語圏:Innovating a Sustainable Future for People and Planet)」
 ◇NTT Group’s Values:「Act with Integrity Build Trust Create Connections」

 島田社長は「海外ではダイナミックループをグローバルに展開しており、逆輸入した。確実にグローバルマーケットを意識してカラーやブランドを統一する。これまでもローマ字での法人登記ができなかったことがあったりでカタカナなど統一感がないことが気になっていた」と話していた。

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。