国際海運の自律運航船実用化へ前進 日本郵船、シンガポール港湾庁と共同実証実施

 日本郵船(東京都千代田区、曽我貴也社長)が運航する自律運航システム搭載の自動車専用船「Elder Leader(エルダー・リーダー)」は今般、シンガポール港に初入港し、同社グループの(株)MTI、シンガポール海事港湾庁(MPA:Maritime and Port Authority of Singapore)と共同で、自律運航システムと港湾システムの連携可能性を検証する実証試験を実施した。
 「Elder Leader」は最新の自律運航システム、大動揺防止システム、船内全域をカバーするWi―Fiネットワークなど最先端のマリンDX機器を搭載し、LNG(液化天然ガス)燃料化により二酸化炭素(CO₂)排出量削減を見込む脱炭素設計も採用した次世代自動車専用船である。
 日本郵船は、2024年にMPAと海事分野における脱炭素化、デジタル化、人材育成の推進を目的とした覚書(MOU)を締結。今回の実証試験は、同MOUに基づき実施したもので、事前にリスクアセスメントを実施したうえで、定められた航路において、乗組員及びパイロットの立ち合いによる安全管理のもと、以下の項目を検証した。
 ①本船からMPAの次世代船舶交通管理システムプロトタイプへの航路計画データの送信②陸上支援システムから本船への水先航路情報の共有及び本船からのライブデータ・映像の伝送③円滑かつ効率的な船舶到達を目的とした、MPAのJust―in―Time(JIT)プラットホームの活用。
 今回の実証試験で得られた成果は、MPAが構想する次世代船舶交通管理システムや、自律運航船と連携可能な陸上支援システムの検討に活用される予定であり、国際海運における自律運航船の実用化に向けた大きな第一歩になるとした。同社では。今後もパートナー各社・関係機関との協業を通じて自律運航技術の社会実装を推進していくとした。